南海電鉄 30000系 特急「こうや」「りんかん」

 

現在の「こうや」号を担っているのが、30000系特急電車。1983年に登場し、軽く20年を活躍してきたベテラン特急です。
「こうや」号というと、流線型の凝った意匠が印象的な20000系「デラックス・ズームカー」が思い起こされますが、
30000系はこれと入れ替わるかたちでデビューし、「こうや」号としては3代目に当たります。

ワインレッドとアイボリーのツートンカラーは、シルバーのボディに青と橙のラインを施した車両が多い南海電車にあって、
まさに「クイーン」のような美しさ。「ラピート」とはまた一味違った存在感を放っています。

高野線直通の特急「こうや」号のほか、りんかんサンラインの気軽な足として定着した「りんかん」号にも投入されています。







レギュラーシート

30000系は、高野山特急の増発用として31000系が登場した際に、31000系にあわせるための改造工事が行われました。
外装面では先頭部分に連結器が装着され、他形式との併結8両運転ができるように改造されました。
車内も新型車両に合わせる工事が行われ、R55形によく似た、フリーストップリクライニングシートが装着されました。
以前は赤系のモケットに座面と背ずりが同時にスライドするタイプの座席を装備。
車内は華やかな印象が漂っていましたが、座席交換によってシートはグレーとなり、かなり落ち着いた雰囲気になりました。

シートピッチは1,000mm。なかなかの広々サイズで、ゆったりとした気分で移動できます。
デビュー当時からシートピッチは1,000mmだったので、全ての席で窓割りと座席位置は合っています。
座席背面には収納テーブルと網ポケット。ポケットはワイドに口が開くので、ペットボトルは余裕で差し込めます。
座席間のセンターアームレストは跳ね上げ収納が可能となっています。

運転室と客室は大きな窓ガラスで仕切られているので、運転室直後の席は「展望席」となっています。
運転席側は遮光フィルムが貼られていて視界が悪いので、助手席側が「当たり展望席」と言えます。
(シートマップは南海電鉄のホームページで公開されていますので、展望席を狙って買ってみてはいかがでしょう。)








洗面台・トイレ デッキ設備 運転席
      

サニタリーコーナーは3号車の高野山方に設置されています。洗面室と洋式個室、男性用個室で構成されています。
また、このサニタリースペースと客室の間にはわずかな空きスペース(業務用ドア)があり、カード式電話が設置されています。

2号車のなんば方にはサービスコーナーがあります。ドリンクの自販機があり、その反対側には窓の付いたフリースペース。
以前はここに売店カウンターがありましたが、1999年の改造工事の際に撤去され、現在のようなフリースペースになりました。








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