南海電気鉄道のドル箱路線である南海本線で活躍する特急「サザン」。 1985年の登場以来、10000系特急型電車が使われてきましたが、初期車が登場から25年経過して老朽化が進んでいることや、 近年の特急車両の車内設備の進化からすると、設備の陳腐化も否めないことから、新型車両12000系が2011年に登場しました。 様々な新機軸や新サービス機能を盛り込んだ新車両は「サザンの高級付加価値バージョン」ということで「サザン・プレミアム」と命名。 今後は、10000系車両を置き換えていく予定となっています。 |
車内はシンプルな印象ですが、ところどころに高級さを感じさせるインテリアとなっています。 特急「サザン」の客層は男性ビジネス客が多くを占めますが、「サザン・プレミアム」の開発には同社の女性社員の声を多く取り入れているそうです。 青系のモケットの座席が並び、壁や天井はホワイトに統一して、全体的にさっぱりとして爽やかな印象。 荷棚の縁やデッキ仕切りドアには濃い色調の木目柄を使って、単調になりがちな空間に高級感のあるアクセントをつけています。 座席配列は2+2の横4列で、シートピッチは1,010mm。10000系の980mm(初期車)と1,030mm(後期増備車)の間を採用したという感じです。 座席ヘッド部分の両脇には大きな張り出しがあって、隣同士でもけっこうプライベート感があります。 座席背面には大型の収納テーブルと、その下には網ポケットとドリンクホルダー、フックに掛けた傘がフラつかないようにゴム製ホルダーが付いています。 このあたりの見付けは、JR東日本のE531系2階建てグリーン車と同じものです。 座席の足元には1人1口使える電源ポートを用意。パソコンや携帯電話などの充電を車内で行うことができます。 また、跳ね上げ式のフットレストも装備しています。 車内の天井近くには、何ヶ所にもボックス状の機械が付いていますが、これはシャープ製の「プラズマクラスター」。 一車両につき10台を搭載しています。 空間内のアレル物質やカビ菌などを分解・除去するほか、タバコなどの付着臭の除去やシートの消臭も行う優れもの。 さらにお肌にはツヤ・ハリを与え、うるおい保湿効果もあるという、女性ユーザーには嬉しい効果もあります。 デッキ仕切りドアのデッキ側には「プラズマクラスターで空気を除菌中」とステッカーが貼られて、その機能効果を宣伝しています。 |
3号車の2号車連結部寄りは、乗降ドアの設置が将来容易に行えるように準備工事が行われています。 そのため、この区画に当たる席(座席番号では1〜4番席)には窓がありません。 窓が縦長についているところが、将来ドアが増設できるようになっているところ。座席のある窓の無い部分が戸袋部になります。 ちなみに、2号車の3号車連結部寄りも同じようにドア増設の準備工事がなされています。 2号車のほうは座席ではなく、大型荷物の収納スペースとなっていて、荷物を固定できるチェーンが設置されています。 |
1号車デッキにはトイレと洗面台が、4号車のデッキには多目的室と飲料の自動販売機が設置されています。 特にサニタリースペースには女性の意見が多く取り入れられているそうです。 トイレは、車椅子対応の大型トイレと男性の小用トイレのほか、女性専用のトイレも設置。 洗面台は大きめの鏡と幅が広く取られたシンク、自動のソープ・温水・ハンドドライヤーも内蔵されています。 |