名古屋鉄道 7000系 パノラマカー

  

「パノラマカーの名鉄」「真っ赤な電車の名鉄」 地元・名古屋どころか日本中にその名を馳せた名車、名鉄7000系パノラマカー。
第一編成が登場したのは、1961年(昭和36年)5月のこと。
約半世紀を経た今でも、流麗でスピード感に溢れるフォルム、強烈なインパクトを与える鮮烈なスカーレット。

パノラマカー人気とさらなるサービスアップを目指し、14年に渡って9次車まで製造が続けられ「名鉄の顔」として君臨。
そんな“誰もが知っている”パノラマカーも、完全引退が迫りつつあり、2009年にはその姿を消す予定となっています。

■■名鉄7000系には特急専用車「白帯車」などいくつかのバリエーションがありますが、ここでは2008年6月現在の7001F編成の車内をご紹介しています■■





レギュラーシート

関東に住んでいる者にとって、特別料金不要の電車で転換シートがズラリ並んでいるだけでもインパクトを受けますが、
ドア付近の席が、何の造作も無しにドン!とロングシートが置かれている光景に、さらに驚かされます。
転換シート部分とロングシート部分にパーテーションとなる目線隠しのような“壁”がないのも、逆に新鮮に見えます。
名古屋の方からすればこれが普通で、別に違和感を感じることも無いのでしょうけど、
とにかく私が初めて乗った時は、展望席以上にこの座席配置が衝撃的でした。

車内はロングシート部分を除いて全席が転換シートとなっており、乗客が自由に席の向きを変えることが出来ます。
転換時には、背もたれを横にスライドさせるというよりも、持ち上げて降ろすというような感じの動きになります。
なんせ車両が半世紀近く前の生まれなので、座席転換はさぞ重いだろうと思ったら、意外と軽い力で転換できました。

シートピッチは900mm。足元にある台座には蹴り込みがないので、足を前席の下に伸ばすことはできません。
背もたれのヘッド部分にはビニル製のカバーが装着されています。
この白いビニルカバーのおかげで、客室全体を見回した時に「優等列車」らしい印象を受けます。





おまちかねの「展望席」です。2人掛けの転換シートが4脚2列で、定員は16人。
頭上が運転席となっているため天井がとても低く、一般客室部分と比べると異空間の雰囲気があります。
シートピッチは一般客席と同じ900mm。ただし、最前列は先頭部に機器があるため500mmとかなり狭めです。

前展望は「パノラマカー」の名に違わず、ダイナミックな展望が特別料金不要で楽しめます。
座席の座面クッションのバネがビョンビョン効いているので、高速運転時に体に伝わってくる跳ねるような振動と、
迫り来る風景とが相まって、小田急ロマンスカーとは一味違ったダイナミック&スリリングな乗り心地が体験できます。

展望窓の上部には「成田山」のお守り。(千葉の成田山かと思ったら、愛知県犬山市にある名古屋別院「犬山成田山」でした)
編成によっては、ここに速度計が設置されていた電車もあったそうです。









車掌室

たいていの電車には「車掌室」があって、車掌室が無い場合は一番後ろの運転室が車掌室になります。
2階に運転席があるパノラマカーでは、車掌さんが客室とを行き来をするのにいちいち上の運転席に上がるのも面倒な話で、
しかし、パノラマカーを先頭から最後尾まで歩いてみても「車掌室」らしきものは見当たりません。

はて・・・・・? パノラマカーの車掌さんはどこでドアを開けたり発車確認をしたりしているのでしょう?!

実はパノラマカーの先頭車の連結面寄りには車掌スペースがあります。
つまり、「車掌室」は客室と仕切られた小部屋ではなく、まんま客室内にある、実にオープンな車掌室。
跳ね上げ式の座席が設置されていて、一見しただけでは車掌室ではなく大きな荷物置き場かと思わせます。

車掌さん乗務中は、客席から車掌さんの一挙一動が全て丸見え。見慣れないと、なんとも奇妙な光景に映ります。
ちなみに、車掌さんがいない時は跳ね上げシートを下ろして、座席に座ることができます。









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