JR東日本に残るイベント用の旧型客車。 スハフ42形が2両、オハ47形が3両、スハフ32形とオハニ36形がそれぞれが1両ずつ、高崎車両センターに配置されています。 「SLレトロみなかみ号」「SLレトロ碓氷号」などの高崎駅始発のSL運転に頻繁に登板されるほか、地方でのSLイベント列車でも活躍中。 どの車輌も車内の手入れが美しくされていて、昔ながらの雰囲気をよく残しています。 座席も固めのモケットで、座面に埋めこまれたスプリングが強烈に効いています。 そのため、発車時のショックをこまめに拾う傾向があり、これもまた昔の鉄道旅行の味わい深さを醸し出しています。 |
スハフ42-2173、スハフ42-2234、オハ47-2246、オハ47-2261、オハ47-2266の5両の客室です。 いずれも昭和27年〜29年頃に製造された車両で、当時の三等客車として製造されました。 それまでの三等用の車両と比べて、背もたれが厚くなり、天井の照明が2列配置になるなど、サービス面での改善が図られました。 座席通路側に付いている大きな手すりのようなものは、通路側席の乗客が頭をもたれ掛かれるようにした「頭もたせ」。 当時は夜行列車としても活躍していたので、この設備は利用者からかなり好評だったそうです。 窓下には台形の小さなテーブルが据え付けられていますが、このテーブル下には栓抜きが付いています。 この形式の車両が大活躍していた時代、駅などでは瓶入りの飲料が多く販売されていたので、この栓抜きも乗客からは重宝がられたそうです。 |
車両の半分が客室、もう半分が荷物室という変わった構造のオハニ36-11。 昭和30年に車体が鋼体化改造されて今の風貌になりましたが、大元の車両は大正15年に二等車と三等車の木造合造車「ナロハ22-389」として誕生しました。 客室内は、ニス塗りされた木目が車内全体でキラキラと輝きます。かつての荷物室部分は、主に車内販売の基地として使われています。 |
昭和13年に誕生した、JR東日本の現役最古の車両です。 1ボックス席に2枚の小窓が並び、窓の日よけにはブラインドではなく鎧戸を内蔵。 床は全面が木製、ボックスシートや壁面はニス塗りされた輝きが車内全体を包み、大変美しい雰囲気を持っています。 JR東日本の旧型客車の中でも、最も古い時代の趣きを味わえることから大変な人気を誇り、この車両の指定券は取り難いです。 |
デッキは、古きよき国鉄時代の車両の趣きをよく残しています。重くて転がりの悪いデッキ仕切りドアは、もちろん全て手動式。 デッキの乗降ドアは、2011年にC61-20蒸気機関車の復活にあわせた再整備の際に半自動化改造が行われ、ドア内側に物々しい装置が追加されました。 トイレはオハ47形が洋式改造されています。(それ以外の車両のトイレは機械室化、もしくは使用できないように封鎖されています) |
編成の組成は、下記のようになることが多いようです。(連結の順序や車種が変更になる可能性もあります。) 6両編成の場合 Eスハフ32−Dオハ47−Cスハフ42−Bオハ47−Aオハ47−@オハニ36 5両編成の場合 Dスハフ32−Cオハ47−Bオハ47−Aオハ47−@オハニ36 4両編成の場合 Cスハフ42−Bオハ47−Aオハ47−@オハニ36 |