北近畿タンゴ鉄道 KTR-001形  特急「タンゴエクスプローラー」

 

1990年に第三セクターの北近畿タンゴ鉄道は「KTR001形」気動車を新造導入。
「タンゴエクスプローラー」の愛称で特急として京都駅へ乗り入れて、丹後地方へと向かう観光特急としてデビューしました。
ゴールドのボディに客室はオールハイデッカーという派手ないでたちで、JR特急にも引けを取らない豪華さが注目の的に。

現在は京都始発から新大阪始発へと変更され、各方面から丹後地方へのアプローチ観光列車として活躍中です。
愛称の「タンゴエクスプローラー」は、直訳すると「丹後探検者」。








普通車


「タンゴエクスプローラー」号は、全車両が普通席。グリーン席や個室といった特殊な客室設備はありません。
シートピッチは980mm。特急車両普通席の標準ピッチです。全席が2+2の4列席となっています。

客席はすべてハイデッキ構造。デッキから客室へは階段を数段昇り、座席に着くとかなり目線が高いことが分かります。
しかもハイデッキ構造の床面に、座席は更に一段高い位置にあり、とにかくこれでもかというほど座る位置が高い。
この構造のためか、編成中1箇所も車椅子対応席が設置されていません。

ハイデッキ構造でさらに窓が大きいので、ことさら眺めが良く感じられます。
側面窓は座席の肘掛よりも下の位置から始まり、天井のカーブラインを越えた位置で終わる。さらにその先には天窓が。
1列1枚の幅狭な窓ではありますが、縦方向の眺めに関してはスリリングに感じるほどワイドな眺めが楽しめます。
ちなみに窓は熱線吸収・さらに外から車内が見えにくい高反射ガラスを使用しているので、ややスモーキーなガラスです。

座席周りの付帯設備としては、足元に跳ね上げ収納式のフットレスト。
足裏のラインにあわせたような折り目が付けられていて、平坦なフットレストよりも足に馴染むように感じます。
下ろした状態での固定はできず、足を載せていないと勝手に跳ね上がるタイプ。

テーブルは座席背面収納のみで、インアームテーブルはなし。
グループ客が多く乗っている光景を目にするので、座席向かい合わせの時はテーブルがなくて不便そう。

座席真上には読書灯。これは窓下のコントロールスイッチでON/OFFします。
スイッチが窓下にあるので、通路側席の人はちょっと使いにくいかも。

ディーゼルカーのため、各車両には排気ダクトを通すために窓がない区画があります。
同じような例ではJR北海道のリゾート特急がありますが、タンゴエクスプローラーではこの区画に座席を設置していません。
そのためダクト部分を中心に前後列の座席は、とてつもなくシートピッチ(?)が広くなっています。
また前座席の背面テーブルが使えないため、折り畳みテーブルが設置されていますが、なぜか大半で撤去されています。




 足元には跳ね上げ式のフットレスト。
 足載せ面は足の裏のラインに合わせた折れ面仕上げになっているが、通常は靴のままで載せてOK。
 窓下には読書灯のスイッチパネル。
 照明が通路直上にしかないので、特に夜間の窓側席は薄暗く、読書灯の明かりが役に立つ。
 座席間のセンターアームレストは跳ね上げ収納が可能。
 運転席直後からの展望はご覧の通り。客室がかなり高い位置にあるのに対し、運転席位置は低い。
 そのため最前列席といっても前展望はほとんどきかず、運転席を見下ろすだけの展望席になっている。
 床下のディーゼル機関から繋がる排煙口は客室を貫通しているため、全車にこのような区画がある。
 1号車と3号車(4号車・6号車)の10番11番、2号車(5号車)の6番7番の間がこの区画に当たる。
 客席の真上には天窓があり、側面の曲面窓と繋がるようにワイドな眺めを演出している。
 ヘッドカバーの素材にはなんと高級織物で知られる「丹後ちりめん」。
 先頭車は紫色、中間車は灰色の織物が使われている。もちろん「お持ち帰り」は厳禁です!
 デッキ寄りにはテレビモニターを設置している。丹後地方の観光案内をVTR放映している。








サニタリー 荷物置き場 デッキ

     

サニタリースペースは2号車に(6両編成の場合は5号車にも)設置されています。
3号車(6号車)寄りの車端部に、洗面室・洋式個室・男性用小用個室が、1号車(4号車)寄りデッキに洋式個室があります。
折り畳み式のベビーベッドは、洗面台・トイレ内どちらにも設置されていません。
また、車椅子対応席がないため、車椅子で入れるような大型のトイレも設置されていません。

デッキは、ホームよりもワンステップありの一段高い位置に。
2号車デッキには大きくポッカリと空いた空間がありますが、ここは自動販売機が設置されていた名残です。
現在は自販機は撤去されており、また「タンゴエクスプローラー」号には車内販売もないので、乗車時には注意が必要です。
また、車内には電話設備などもなく、観光特急としては意外とあっさりとした客室設備となっています。

客室は座席頭上に天窓がある関係で、荷物棚が設置されていません。
各号車とも車端部の階段スペース脇にロッカーのような荷物収納スペースがあり、大きな荷物はここに置くようになります。






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