以前のビスタカー3世はグリーンがベースでもっと車内がくすんだ感じでしたが、 リニューアル後はモケット張替えでこんなに雰囲気が変わりました。 リニューアル前の2階席は1列ずつに1つの窓を設けて、頭上部分に天窓のような小窓がありました。 リニューアル後には2列で1つの窓割りになり、グンとワイドに。 リニューアル前の天窓は側面窓と一体化して、天井へカーブした曲面ガラスに大変身。 (というか窓部分はそっくり別モノで作り変えているのかな、コレは?) 座席は一見して「ACE」や「伊勢志摩ライナー」のものと同じように見えますが、 実はコレ、登場当時からの座席をベースに、バックレストだけを交換したというリニューアルを行っています。 コスト的にはこのほうが有利ですが、改造の手間を考えると座席を全交換したほうが手間にならないような気もしますが・・さて? ちなみにシートモケットは平屋席がグリーンベース、2階席はオレンジベースとしています。 シートインプレッションとしては、あまりいただけない居住性。 「伊勢志摩ライナー」でも触れたように、このバックレストは硬い上にホールド性に優れていません。 座面部分は前述のように20年前の座席のままで、クッションが効いてはいるのですが バネによる反動が大きく、走行中はビミョーにトランポリンのような突き上げ感。 座席はバックレストのリクライニングと同時に座面がスライドする機構になっています。 フットレストは設けられてはいないものの、座席下の台座部分に蹴り込みが設けられていて、そこそこ足が伸ばせます。 シートピッチは平屋席は980mm、2階席は1000mm。 もともと2階席も980mmピッチでしたが、リニューアルで座席列を1列減らして、シートピッチの拡大を図りました。 なお2階建て車両同士は間にデッキを挟まないことから、2階のフロアレベルでの水平移動が可能になっています。 |
ダブルデッカー車の階下席はソファーが並び、「客席」というより「個室」か「サロンコーナー」といった雰囲気。 デッキ空間との仕切り壁やドアはなく、デッキから直結になっています。 そのためちょっと落ち着かない空間ではありますが、グループでワイワイしながらの移動などにはもってこいです。 階段の直下になる席ならデッキからも見えません。「隠れ家」的な雰囲気から、1人でひっそりと移動したい人にもおすすめ? 半円形のカクテルテーブルに持ち込みの小ボトルのワインとチーズ。低めの視線から眺める夜の町並み・・・なんてどうでしょう。 ソファーにはリクライニング機構などはありません。 荷物が置けるように壁面に凹みをつけているので、多少の荷物なら十分に収納できます。 |
サニタリーコーナーは平屋建ての両先頭車に設置。 モ30200形には洗面台と男性用トイレと洋式トイレ、モ30250形には洗面台と和式トイレを設置しています。 ほかの近鉄特急同様、おしぼりのストックボックスが洗面台にあり、利用者はセルフサービスでおしぼりを利用できます。 |
ダブルデッカー車両のデッキは階下から2階天井まで吹き抜けになっていて、かなり広々としています。 中央部にはプランターボックスを配して、その両脇に階下・2階に通じる階段を設置。 乗降ドアの上には座席番号を書いた座席案内表示がありますが、 よほど乗り慣れていないとチケットで席番号を確認してすぐに指定された席の方向へと歩き出せません。 やはりこうした「利用者のまごつき」は多いようで、結果、デッキで乗客の流れが止まってしまうことから発車時間の遅延が発生。 そのため「ビスタ・エックス」の充当便では、まず平屋建てから売れるように発券システムをプログラムさせているそうです。 2階建て車両を利用したいときには、窓口で「2階席(階段下席)でお願いします」と一言注文が必要です。 モ30200形先頭車のコックピット後ろには車内販売準備室があります。車内販売全廃後もそのまま残されています。 |
運転席のシンプルな丸い計器類や受話器などは“レトロ”そのものです。 |
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