近畿日本鉄道 26000系 さくらライナー

  

吉野特急運転開始25周年を記念して、1990年に登場した「さくらライナー」。
鋭角で挑戦的なフォルムの「アーバンライナー」を“吉野テイスト”で味付け、
柔らかく優しいその姿は近鉄特急フリートの“お姫様”のような存在です。

近年は沿線の通勤特急としての需要も高く、朝夕には2編成を併結した重連運転も行われています。







レギュラーシート


「さくらライナー」は全車両がレギュラークラスで、デラックスシートの設定はありません。
客室の特徴はなんといっても、「桜の花びら」をイメージしたデザインの座席。
ピンクのシートモケット、丸く仕上げられたヘッドレスト部分、完全にFRPで包んだシート背面・・・
どこをとっても、どこから見ても「さくらライナー」だと分かる、明確なアイデンティティがシートデザインに詰め込まれています。

シートピッチは「アーバンライナー」レギュラーシートと同じく1,050o。
リクライニング角度はそれほど大きくはありませんが、観光特急として向かい合わせで使うことを想定してか、
背面同士がリクライニングをかけた時に干渉しあうのを最大限に防いでいます。

センターアームレストは驚きのフルモケット張り! ただし、幅はそんなに大きくないのであくまでも仕切り程度となります。
テーブルはインアーム式で、ほぼ真四角で実用的な大きさを確保しています。
シート背面にはFRP製のポケット。ドリンクホルダーにはペットボトルがすっきり収まり、
マガジンポケットにはA4の大きさの雑誌類が無理なく入ります。


さて、この座席。実際に座ってみるとランバー部分の張り出しが大きく、ヘッド部分が平坦なので、
なんとも頭の収まりが悪く、のけぞっているような体勢に違和感を覚えます。
このヘッド部分にピローをつけるか、もしくは頭の形に詰め物を増やすかするとかなり座ったときの印象が変わるのですが・・。
(逆にランバー部の張り出しを削ると、かなり貧弱な座席になります、コレは)
あと、フットレストのモケット張り側が明らかに土足で使われた痕跡があり、かなり汚いです。
これは会社側ではなく利用者側のモラルの問題ですね・・・。

運転室直後の座席は、ワイドな展望が楽しめます。
吉野行きの列車は「4号車53番〜56番」、あべの橋行きの列車は「1号車1番〜4番」が展望席になります。










洗面台・トイレ

 サニタリーコーナーは2・3号車に設置。
 洗面台と男性用トイレのほか、2号車には洋式トイレ、3号車には和式トイレを設置しています。
 こちらは「アーバンライナー」に共通した雰囲気になっています。









デッキ設備

 2号車のデッキにはカード式電話が設置されています。もちろん山間部での利用はできません。
 なお、「さくらライナー」には飲料の自動販売機は設置されていません。









コックピット

 運転席は開放的でかなり広々としています。実は先頭車では避難口がデッキ側だけになってしまうことから、
 運転室側も非常時の脱出経路として広くしてあるのだそうです。





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