京阪電鉄 3000系 中之島線 快速急行用車両 「COMFORT SALOON」

  

2008年10月の中之島線開業と同時に運転を開始した「快速急行」用に製造された、京阪の新しいスタイルの電車です。
これまでの京阪電車には無かった青系のカラーリングを使い、新規開業路線の新車であることを強くアピール。
「紺」「銀」「白」の組み合わせで、京のれん・紺袴・淀川水系・水都「中之島」のきらめきを連想させるイメージとしています。
特急型車両と通勤型車両の中間を行く車両で、「コンフォート・サルーン」という愛称が付けられました。

京阪史上に燦然と輝く名車「3000系」の名を引き継いだ、京阪電車新時代の申し子「コンフォート・サルーン」。
「風流の今様」のコンセプトを全身で表現しながら、歴史薫る京の都「出町柳」から文化の水都「中之島」へと走ります。


ボディ上部:エレガント・ブルー
センター:スマート・シルバー
ボディ下部:アーバン・ホワイト






レギュラーシート

3ドアの「通勤型」と転換クロスシートの「特急型」を折衷させた仕様の車内。
インテリアのカラーコードも「青」「シルバー」「白」を組み合わせて、デザインコンセプトに合わせられています。

ドア間の転換シートは2+1の配置。通路が広く、全景で見ると車内はかなり広々として見えます。
車端部はバケットタイプのロングシート。背もたれ部分に一人当たりの着席幅を明確にする「円弧」の切れ込みが入っています。
運転席直後の席は「展望席」となっていて、ここは2+2で転換シートが配置されています。

座席には、表皮に「東レ」社のマイクロファイバー新素材「エクセーヌ」を使用。鉄道車両では初お目見えということで話題になりました。
感触がそれまでのモケットや織物とは違い、スエード風の独特なもの。直接触った時に、なんともいえない不思議な触感です。
ただ、逆撫でした時に表面が立ってしまってしまうのもスエード譲りで、一見すると「汚れ」のように見えてしまうのが欠点かも。

転換シートは1人掛けより2人掛けの方が掛け心地が良いように感じました。
1人掛けの方は、座面のクッションがかなり沈み込みます。「柔らかい」というより「腰が沈んで、はまってしまう」という感じ。
2人掛けの方は、座った時に表面が外側で沈み込みを抑えるような「張り」があり、腰がはまりこんでしまうような感じがありません。
(とはいえ、1人で乗る時はやっぱり1人掛けの方が気分的に快適なんですけど)
ちなみにこの車両、不思議なことに座り心地に関しては、転換クロスシートよりロングシートのほうが快適でした。
このロングシート、一見なんてことないバケットシートなんですが、柔らかさと座った時のバランスがすごく良かったです。

座席の各部の数値は、カタログ上での数値は以下の通り。
転換クロスシートのシートピッチ・・920mm。
転換クロスシートの端部ピッチ・・・570mm。
展望席部のクロスシートピッチ・・・635mm。
1人掛け席の座席幅465mm、2人掛け席の座席幅450mm、ロングシートの1人分の幅470mm。

車内にも「円弧」のデザインがあちこちに反映されていて、通勤タイプの車両ながら、どこか「優雅」さが漂います。


 転換クロスシートの座席下は空洞になっている。
 着席時に足先を前の席に伸ばすことができるので、シートピッチ以上のゆとりが感じられる。
 吊り革はクロスシート部分にも設置されている。
 高さは3段階に設定。画像の手前・一番低い部分は「優先席」に当たる部分の吊り革。
 窓にはブラインドが設置されている。もちろんフリーストップタイプ。
 ブラインドにもデザインコンセプトの「円弧」が。「水都・中之島」にちなんだ、水の波紋にも見える。
 転換クロスシートを装備する車両だが、「特急型」ではないので車内には吊り下げ広告が設置されている。
 床面には「石畳」をイメージした格子模様が入っている。全景で見た時、この模様が奥行き感を演出している。
 展望席(助手席側)からの前面展望の眺め。
 地下区間および朝晩の時間帯は、運転席側と通路の窓には自動上下式のブラインドが下ろされる。
 転換シートの全席には「3000系」と「エクセーヌ」のロゴを入れた、このようなタグが縫い付けられている。








デッキ コックピット
    

各乗降ドアの上部には液晶ディスプレイによる情報表示装置を設置。大きな文字とスクロールする停車駅案内はとても分かりやすいです。
行き先や停車駅表示のほか、ニュースなども流れます。
このディスプレイ、天井蛍光灯からの光の映り込みが激しく、どの角度・高さで見ても見難くなってしまう部分があるのが難点。
モニターに被る部分の蛍光灯にはカバーを付けるか、でなければ蛍光灯の取り付け位置そのものを変えないと解消されなさそうです。

客室部とデッキ部を仕切る部分には、立ち客が寄りかかれるように、座席と同じ「エクセーヌ」を使ったクッション材が張られています。
手すりもデザインコンセプトの「円弧」をイメージしたものとなっていて、使い勝手のよさと見た目の美しさを両立させています。
各車両とも「車椅子用スペース」が大きくとられていて、そのスペースには必ず「非常通報装置」を併設しています。

車両間の連結部を繋ぐ貫通ドアは、8000系特急車両と同じセンサー式の自動ドア。取っ手に触れるとドアが開く仕組みになっています。










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