1994年の「スーパーはくと」デビュー時はグリーン車の連結は無く、1997年の増備時にグリーン車が製造されました。 登場当時から高い乗車率を誇ってきた「スーパーはくと」ですが、グリーン車も登場するや、たちまち満席御礼の列車が続出。 グリーン車などの上級クラスのニーズが低いと言われる関西圏で、驚くべき高乗車率で現在まで推移しています。 グリーン席は普通車と合造の「半室」構造。座席数が少ないのも、チケット争奪戦に拍車をかけています。 シートモケットは2種類のカラーが設定されており、画像のモスグリーン系のほかにマホガニーレッド系があります。 どっしりとした大型シートが3アブレストで並ぶ客室は、アッパークラスらしい重厚さ。 濃い木目調の客室仕切り壁に、荷物棚は収納カバーつきのハットラック、天井は完全な間接照明方式。 平成初期の「スーパーひたち」の豪華さを思わせる、堂々たる雰囲気です。これが3セクの車輌なのだからオドロキ! シートピッチはJRグリーン席と同じ1,160mm。足元のフットレストは裏表の2面式で、位置・傾斜とも絶妙なバランス。 ヘッドレストにはピローがあり、上下に可動。 オーディオパネルは今でもサービス継続中で、ラジオ受信番組と合わせて6チャンネルが設定されています。 イヤホンは座席に備え付けられていないのですが、車掌さんに申し出れば貸してもらえます。 さらに、1人掛け席には肘掛けにコンセントが装備されています。(壁側に設置されている車輌もあるようです) |
こちらは1994年登場当初からの普通車。以前はもうちょっと落ち着いた柄のモケットだったみたいです。 座席のフォルムは、100系新幹線・後期量産車の普通車座席とよく似通っていて、 そこにJR四国の8000系特急電車の普通車座席を重ねたような風貌を持っています。 シートピッチは980mmで、登場当時の特急普通車標準サイズです。 国鉄型485系の910mmピッチへ先祖帰りする新型車も出てくる現在、足元に余裕が感じられる「スーパーはくと」です。 ジャンプ式のフットレストも装備。リクライニング量も普通車にしてはなかなか深くまで倒れるのが嬉しいです。 運転席直後の1番列では前面展望が思いのままに。1A・1D席はやや眺望に難があり、おすすめは1C席です。 |
こちらは2002年増備車の普通車座席。683系「サンダーバード」と同じタイプの座席に変更されています。 バックレストが大型していて、全体的なホールド感はこちらのほうが優れています。 しかし、車内移動時のガイドとなる肩部の取っ手がデザイン重視のものに変わっており、 東海道・山陽本線のバカ走りの時からけっこう揺れる「スーパーはくと」にあって、 智頭急行線の振り子作動時には、通路を歩いてトイレへ向かうのも苦労しそうな予感です。 ちなみに、気動車の利点を活かした増結による編成組み換えはけっこう頻繁のようで、 このタイプの座席の車輌と、以前のタイプの座席の車輌は今ではごちゃ混ぜになって編成組成されています。 普通車には全ての車輌のデッキ寄り壁面に大型モニターが設置されています。 一見、宴会列車のカラオケ装置かと思いますが、運転時には運転席からの前展望を常時中継放映中。 |
サニタリースペースは、先頭車を除くすべての中間車に設置されています。 約1両おきという割合は、2両無いし3両おきが当たり前となったJR特急と比べると、かなり多いほうです。 洗面台は通路側を向いて設置されていて、全てが車椅子対応型並みの大きさと広さ。 ハンドソープは自動式ではなく、詰め替え式のボトルが置かれているのがなんともユニーク。 ベビーベッドは3号車の車椅子対応個室内に設置されています。 デッキは「実用本位」の、飾り気の無いモノトーン。喫煙車輌にはデッキにも灰皿が用意されています。 電話は1号車のデッキに、縦長のカード専用の物が設置されています。 |
パノラマ型先頭車の最前列展望席からは、運転席がよく見渡せます。 |
外観のダイナミックさとは裏腹に、運転席のデザインはとってもベーシック。 |