老朽化の進んでいる2000系「フジサン特急」に替わり、2014年夏に新しく導入されたのが8000系「フジサン特急」です。 小田急ロマンスカー「あさぎり」号で活躍していた20000形「RSE」が廃車になるのを受けて、小田急から3両が富士急行に譲渡されました。 外観には「フジサン特急キャラ選挙」で上位を獲得したフジサン君のキャラクターが、車体いっぱいに描かれています。 |
2号車と3号車は、自由席車両。客室部分は、ほぼ小田急ロマンスカー「あさぎり」号時代のままの姿をとどめています。 ハイデッキ構造の客室から座席そのもの全てが変わりなく、座席のモケット柄から絨毯まで小田急時代のまま。 シートピッチ1,000mmの広々とした足元とリクライニングシートで快適な居住空間となっています。 窓側には折りたたみ式のテーブルがあり、これも小田急時代からのもの。座席を向かい合わせにした時に便利なテーブルです。 座席背面には、収納テーブルと網ポケット。さらに足元にはフットレストが付いています。 背ずりの肩の部分には、通路移動時の手がかりとなるグリップが新たに取り付けられました。 座席ヘッドカバーとカーテンにはフジサン君がプリントされた、フジサン特急オリジナルのものとなっています。 ヘッドカバーは、無農薬有機栽培のコットンを富士吉田市の「ふじやま織り」で織り上げて作られています。 |
1号車は座席指定車両。「特別車両」という扱いで、運転席寄りには展望サロンが設置されています。 展望サロンには子供向けの擬似運転台スペースもあり、鉄道模型用の運転台装置が設置されています。 運転席仕切り壁の上部には、小田急20000形に敬意を表してか、同車が1992年に獲得したブルーリボン賞受賞プレートが残されています。 客室部分は、運転席側から前方6列分が2+1の3席配置、2号車寄りの2列分は2+2の4席配置となっています。 1人掛けシートは、小田急ロマンスカー20000形時代の2階建て車両の3号車階下席にあった1人掛け席が移設されています。 1人掛け席と窓の間には木製のテーブルがあり、広い空間を占有できる優越感ある空間となっています。 (20000形の階下席の1人掛け席は6列分しかなかったことから、フジサン特急では6列分だけが2+1配置となっていると思われます) |
デッキ寄りには、ガラスで仕切られたセミコンパートメント席が2区画、合計8席設置されています。 座席は向かい合わせで固定されていて、真ん中に木製の大型テーブルが据え付けられています。 座席背面がガラスのパーテーションに固定されているため、座席をリクライニングすることはできません。 |
デッキは1号車と3号車は階段を昇るスタイル、2号車は車椅子対応となっていて普通の高さとなっています。 また、デッキ乗降ドアも1・3号車は小田急時代からの特別車両らしい折り戸式、2号車は車椅子用に間口を広くした引き戸となっています。 トイレは2号車のデッキに1箇所のみ設置。個室内は車椅子で入れるよう広くなっていて、折りたたみ式のベビーベッドも設置されています。 トイレも真向かいの壁面には、フジサン特急を彩る「フジサン君」のキャラクター紹介一覧表が貼られていて、思わず見入ってしまいます。 |