![]()
E2系新幹線は、200系新幹線に代わる次世代の標準型車両として開発・製造されました。 |
1995年に2編成が量産先行車として登場し、1編成は秋田新幹線E3系との併結高速運転向け、 もう1編成は1997年開業の北陸新幹線(長野新幹線)への投入を目標に試験運転を開始しました。 東北新幹線向けの編成はJ編成が附番され、1997年3月に秋田新幹線開業と同時に営業運転を開始。 北陸新幹線向けの編成はN編成が附番され、1998年9月に長野開業と同時に営業運転を開始しました。 当初の計画通り200系を置き換える形でE2系新幹線は増備が進み、JR東日本を代表する新幹線に。 しかし、全ての200系をE2系で置き換えるより前に、技術革新によって早くも世代交代が訪れます。 2011年からは東北新幹線にE5系が登場し、2014年には北陸新幹線延伸を前にE7系が登場。 長野新幹線用のN編成は、E7系への置き換えが一気に進み、2016年で全ての定期運用を終了。 翌年2017年3月にさよなら記念列車の運転が行われ、北陸新幹線系統での運用が全て終了しました。 東北新幹線向けのJ編成も、初期の基本番台編成もE5系の増備で2020年には全編成が引退となりました。 1997年 グッドデザイン賞受賞 エクステリア・インテリアデザイン:TDO(Transportation Design Organization)+剣持デザイン研究所 (撮影時期:1995年・2003年・2005年) |
![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
グリーン席の照明は、白熱灯のような明るさ。 実際の車内は、画像で見る以上にオレンジ系の色が広がるような温かみを感じる客室空間になっています。 グレートーンの縞模様のモケットとイエローのリネンを配していて、落ち着いた中に「賑やかさ」を感じる不思議な雰囲気。 シートピッチは新幹線標準の1,160mm。 この当時はすでにJR東日本のグリーン車でのオーディオサービスは廃れていたので、オーディオパネルは最初から装備されていません。 イエローのリネンが掛けられた枕部分は上下に可動し、任意の位置に据えることができます。 このマクラですが、詰め物の張りが若干硬めであまり頭が沈みません。 フルにリクライニングを倒して、全身を背もたれに委ねるとちょうどいい体勢となります。 しかし、「ややリクライニング」の角度にすると、枕の張りによって頭と首が前に押し出されるような姿勢になってしまい、ちょっと落ち着きません。 テーブルはサームレスト収納タイプのみを装備。ワイドに広がる2つ折りのテーブルを備えており、お弁当などを広げるのにも苦にならない大きさ。 足元のフットレストも大きめのサイズとなっていて、しっかりと足を乗せることができるようになっています。 個人的にはアームレストに付けられている傾斜角度が絶妙で、幅と高さもちょうどよく、腕全体をしっかりとのせてリラックスできます。 |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
![]() ![]() |
どうでしょう、このド派手なカラーリングのシートモケット! 凡庸で万人受けするようなカラーコードを用いる(往々にしてぼやけた色が多い)場合が多い新幹線車輌にあって、 このすさまじいまでの「色の氾濫」っぷりは、登場からかなり経った今でも鮮烈です。 (ちなみに、長野新幹線開業時のパンフレットには「普通車シートは、ぬくもりのある配色になっています」という記述が(笑)) 座席自体は、モケットカラーから溢れるそのアグレッシブさとは裏腹に「平均点は確保」な出来になっています。 東京−長野の約2時間。そこそこ快適な気分で過ごせる仕上がりです。 ちなみに「座面スライド」機能は備えていません。E2系は、ちょうど「座面スライド席流行前夜」に登場しています。 さて、ホームで乗車を待つあなたの目に映る車内の光景は、確実に直感的に異質なものを覚えるでしょう。 スタンバイされた座席。異常なまでにそそり立つ、いや、むしろ「前屈み」の体勢で乗客を待つ座席群・・・。 シートピッチは980mm。このピッチでは3人掛け座席は、通常の体勢では回転させる時に前後の席に干渉されてしまいます。 シートピッチを広げることなく座席の回転を可能にさせたのがこの「前つんのめり」体勢の座席で、開発時の苦労がうかがえます。 |
![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
サニタリースペースは奇数号車の長野方に統一されて設置されています。 洗面台は大型のスクエア型シンクを採用していて、実際使ってみると使いやすいのですが、 シンク自体に縁がないために「水はね」しやすい構造になってしまっています。 車椅子用のサニタリは7号車(グリーン車)に設置。この個室には収納式のベビーベッドが装備されています。 |
![]() ![]() ![]() ![]() |
![]() ![]() ![]() |
ほぼ全てのデッキ部分にはバゲージスペースが設置されています。 冬季のスキーシーズンにはスキー板やスノーボードが多く収納されているほか、普段でも大型のスーツケース置き場として使われています。 電話コーナーは4号車と8号車の東京方デッキに設置されています。 登場当時は2・4・6・8号車と、2両おきに設置されていましたが、携帯電話の普及で2・6号車は順次撤去されました。 ドリンクの自動販売機は3号車、編成中1箇所だけに配置されています。 運転台の画像は、1995年の仙台の新幹線車両基地まつりの運転台公開イベントにて撮影。 |