博多から高原のリゾート「由布院」へと走る、JR九州ご自慢のリゾート特急「ゆふいんの森」号。 車内はハイデッカーの客室に、木材をふんだんに使ったサロンに軽食を提供するビュッフェを備えていて、 「つばめ」「ソニック」「かもめ」といったインターシティ特急とは、全く違った趣きのインテリアとなっています。 1989年の登場以来、女性利用者から絶大な人気を誇り、リピーターが多いのも特徴。 週末や連休にはチケットが非常に取り難い列車です。 2003年に車内設備の大幅なリニューアルが行われました。ここではリニューアル後の車内をご紹介します。 |
「ゆふいんの森」号は全車普通車で、グリーン席やグリーン個室はありません。 全車ハイデッカー構造で、座席に座ってみるとかなり目線が高く、在来線2階建て車にも迫る高さです。 座席は1989年のデビュー当時からのものを装備していて、「ゆふ森」3世のシートに比べるとどこかレトロな感じ。 シートモケットは微妙な差ながら、モスグリーンとライトグリーンの2種類があります。シートピッチは960mm。 座席自体はどっしりして安定感があり、クッションもかなり柔らかいので、ソファーのような感覚で腰掛けることができます。 座り心地では、最新型の「ゆふいんの森3世」のものより、こちらのほうが軍配が上がると感じられました。 白熱灯色の丸照明やゴールドを基調とした随所の飾りなど、ややバブル時代の片鱗が残ります。 先頭車の最前列からは前方の展望が楽しめますが、真横にカーブして走る窓のバカ太い桟が邪魔で、さほどの展望ではありません。 ちょうど運転手さんを見下ろすカタチとなるので、それはそれで楽しいかもしれません。 「座席番号」のプレートが窓の下部に付いているので、初めて乗った時に座席番号を探してちょっと戸惑うかもしれません。 |
2号車の一角に「ビュッフェ」があります。空間全体がブラッドウッドの濃い色調なのが印象的。 ギャレイには飲食物を提供するのに必要な設備が一通り揃っていて、食事メニューには暖かいものも用意されています。 また、おつまみやアルコールを含む飲み物類には、由布院の地元のものが多く用意されていて、車内ですでにゆふいん気分に。 「ゆふいんの森」号のオリジナルグッズも多く揃っていて、乗車記念やお土産として人気です。 車内販売も行われていますが、ハイデッカーの客室とデッキ間は階段となっているため、ワゴン販売はありません。 特定の商品をカゴに入れて、宣伝方々客室へまわりに来るという感じなので、乗車したらぜひビュッフェに足を運びましょう。 |
3号車には「サロンスペース」があります。 こちらはリニューアルで登場したスペースで、以前はギャラリーコーナーでした。 2号車「ビュッフェ」と隣接しているので、ビュッフェで買ったものをここで食べる人も多く見かけられます。 空間内は天井から壁、床の全てが木目材で覆われていて、およそ「列車内」という雰囲気を超越しています。 そして左右に広がる巨大な窓。トロッコ列車には及ばないものの、画像で見る以上の開放感があります。 ここには観光ガイドなどをそろえたライブラリーや、記念撮影用に用意されたタペストリー、 さらに、記念撮影用の子供用の制服(車掌さんとゆふいんの森レディーの2種類)があります。 |
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デッキのサニタリースペースも木目材で覆われていて、森の中の別荘のような雰囲気です。 女性客が多いこの特急では、もちろん「女性専用サニタリー」も設けられています。 客室は全てハイデッカーとなっているので、デッキから客室に入るには階段を数段上がります。 そして客室との仕切りにはなんと暖簾が掛けられていて、このあたりですでに普段乗る列車とは違う雰囲気が感じられます。 各車とも出入り台のあるデッキ部分にコモンスペースが設けられています。 以前はここが喫煙スペースでしたが、車内全面禁煙化に伴ってここも禁煙となりました。 車内公衆電話のサービスは、2009年10月をもって終了。今は電話機は撤去されています。 1号車のデッキ寄りには「多目的室」があります。着替えや気分が悪い時の休憩場所として利用できます。 |