JR東日本 キハ48系 びゅうコースター「風っこ」

  

オープンエアのトロッコディーゼルカー。
ウッディな車内には、びゅうっと吹き抜ける風と迷い込んだ虫たちのダンス。
“地球”の息吹に一番近い「風っこ」は、春夏秋冬の移ろいを肌に直接運んできます。





レギュラーシート

ローカル線用のディーゼルカーを大改造して、トロッコ列車に大変身。
車内は難燃木材を使用したベンチシートのボックス席が並んでいて、ウッディな雰囲気。

座席幅は890mm・ボックス内ピッチは720mmとコンパクトではありますが、
ファミリーユースを一番のターゲットに狙っているならこのくらいの空間でも問題ないかも。
木製シートはもちろん「硬い」です。ジョイント振動やディーゼル唸りが直接お尻に響いてきます。
「木の椅子はちょっと・・・」という方はエアクッションや簡易座布団などを持ち込まれたほうがいいでしょう。

2両編成の「風っこ」ですが、双方の内装は若干の違いが見られます。
下り方の「キハ48-1541」は壁面がグリーンに、上り方の「キハ48-547」はライトブラウンに塗られています。
前者は「おもちゃ」的な雰囲気で、後者は「レトロ調」な雰囲気が漂います。

天井は鋼体剥き出しで、配線などが丸見え。
かなり濃い目のブラウンで塗られているのと、白熱灯の照明でレトロな雰囲気です。

ちょうど目線の高さに転落防止用のフレームがくるのですが、さほど目障りではありません。
テーブルの面の高さが、ほとんど吹き抜け窓の下の高さと同じになるので、かなりの迫力があります。

テーブル上にはドリンクホルダー。
通路側に2つしかないので、4人でボックスに収まると窓際の人は飲み物の置き場に困ります。
ちなみに丸型のペットボトルならホルダーにぴったり入りますが、四角いボトルだと入りません。

窓の上に荷物棚がないので、荷物は座席下の荷物スペースに収納します。
このスペースが実に狭く、小さめのリュックを1つ入れたらそれでいっぱい。
ご乗車の際は荷物を少なめにしておくことをお薦めします。


幸か不幸か、雨降りの日に「風っこ」乗車となったので、あまり見られないであろう「雨の日仕様」をご紹介。

「風っこ」では、冬季の運転に備えて「はめ込み窓」が準備されていますが、
どうやらこれは冬以外の雨の日には使われないようで、この日も「はめ込み窓」を見ることはできませんでした。
ホームに入線後、徐々に雨足が強くなってきたので「どうするのだろう」と思っていたら・・・・。
なんと電動のビニールブラインドを装備していて、簡単な操作であっという間に「トロッコ列車」から「温室列車」に(笑)

ご覧の通りこのビニールブラインドは細かい網目が入っているので、眺望はほとんど期待できません。
走行中は風圧でベリベリと音を立てて膨らんだりヘコんだり。
フリーストップ機構を備えているので、上半分だけオープンな状態にするということも可能です。

このブラインド、走行中は上げ下げができないようになっていて、駅に停車中のみ操作可能となっています。
こちらからビニールブラインドの操作中の動画がご覧いただけます。
【AVI形式(Macintosh Quicktime playerかMicrosoft Windows Media playerが必要です) 17秒/約9.5MB】








洗面台・トイレ デッキ設備 荷物置き場 コックピット

サニタリーコーナーは1箇所。洗面台はなく、手洗いシンクは車椅子対応型のトイレ個室内に集約されています。

運転台側・連結面側ともデッキを備えています。
「すのこ」のような木製パネルで飾り付けられていますが、なんとなく周囲とマッチしていないような気が・・。

トイレのない車両の連結面側にはなんと「だるまストーブ」。
排煙のため配管や、火を焚き続けるための道具が揃っていて、どうやら現役で活躍の模様。
トイレ前とストーブ前には小さなベンチがあります。
金具が取り付けられているのを見ると、どうやらこのベンチは折り畳みが可能なようです。

各車両とも、運転台直後の出入り台脇に「荷物収納スペース」が設置されています。
客席からは目が届かないので、折り畳み式の自転車やベビーカーなど特殊なものでない限りは使う人もなさそう。
ちなみに荷物固定用のチェーンなどはないので、上記のようなものを持ち込みの際は自分で固定具も準備が必要です。







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