JR九州 キハ185系 特急「A列車で行こう」

  

これまで観光特急の運行がなかった「三角線(みすみせん)」に、観光特急「A列車で行こう」が走り始めたのは2011年8月。
熊本から三角に至る片道わずか40分弱の乗車時間は、三角駅から先のシークルーザーや観光バスと一体となって天草の観光を担うものです。
車両は「九州横断特急」で使われていたキハ185系を大改造。まるで新型車のように美しく生まれ変わっています。

車内はこれまでのJR九州の観光特急とは一味違った雰囲気で、「A列車」の「A」には「Adult(アダルト・大人の)」の意味を含めていて、
大人の観光客をターゲットにした雰囲気に仕上げられており、このほか「A」には「AMAKUSA(天草)」の意も含められています。
コンセプトは「南蛮文化が渡来した天草をモチーフに、ヨーロッパをイメージした大人の旅」。

基本的には週末や大型連休などに熊本−三角間を2往復しますが、特定日には1号・4号が博多始発/博多終着で延長運転も行われています。






普通車





                                         

「A列車で行こう」はわずか2両編成。熊本方の車両にはセミコンパートメントが4区画あり、定員は56人。
三角方の車両にいたっては、バーコーナーが車両の半分を占めるため、定員がわずか28名。
2両編成の総定員は84名で、大型連休中などは指定券の入手が困難な列車となっています。

座席は「九州横断特急」時代のものにモケットを張り替えて、肘掛の木製パーツを一部交換しています。
モケットはわずか2両編成に4種類ものモケットを用意。おそらく沿線にゆかりのある草木や花が柄にあしらわれています。

座席シートピッチは変更無く、これまでとおり940mmのまま。
海側の方が窓からの視界風景に優れており、1号車・2号車ともD席側が当たり席となります。
(セミコンパートメントは2番区画と4番区画が、海側風景を眺められます)



    カーテンは片引き式のプリーツカーテン。カーテンにも座席モケットと同じ柄が入っている。
    窓の框部分には木製パーツがはめ込まれていて、ドリンク置きやちょっとした小物置きとして使える。
    頭上、荷物棚下部分にはスポット空調の風量調節口がある。
    テーブルに刻まれた「TRANS-KYUSHU LIMITED EXPRESS」の文字。この車両の改造元がうかがえる。
    デッキ仕切りドア上部には、簡単な情報表示装置。次の停車駅を日本語・英語・中国語・韓国語で表示する。
    座席表面は平織り生地。多種多様な柄をランダムに仕込むのがJR九州の特急の「らしさ」。
 「A列車で行こう」では、野草や花のイメージを持った数種類の柄を配置してバリエーションの楽しさを持たせている。









セミコンパートメント キッズスペース




                                         

2号車の三角方にはセミコンパートメント席が4区画と、フリースペースのソファー席、子供用チェアがあります。
セミコンパートメント席は、2人掛け席が合い向かいの状態で固定されていて、その中心に折り畳み式の大型木製テーブルが設置されています。
この席はリクライニング機構が殺されてしまっているので、座席を倒すことができません。
ただ、3〜4人グループでわいわい賑やかに楽しく三角・天草までの旅を楽しむには打ってつけの設備です。
2番区画と4番区画が、途中で海岸線側を向く区画なので、空きがあれば偶数番号の区画を狙って購入したいところです。











A-TRAIN BAR




                                            

バーコーナーは「A-Train BAR」と名付けられた、1号車の半分の空間を使うほどの本格的なもの。
内装は「16世紀大航海時代のヨーロッパ文化」と「古き良き“天草”」をテーマにしたデザインで南蛮文化の雰囲気が漂う空間です。
特にあちこちにはめこまれたステンドガラスは美しく、日の傾く時間帯になるとバーコーナー全体がステンドガラスの色に染まります。

「大人の旅」をメインコンセプトとしているので、揃っているメニューもアルコール類が中心。
カウンター内には「ハイボール」サーバーが設置されていて、A列車オリジナルカクテル「Aハイボール」なども楽しめます。
下戸の方でもバーの雰囲気を楽しめるよう、ソフトドリンクに柑橘ジュースを用意し、天草オリジナルスイーツなどもいろいろ揃っています。

バーコーナー内には3箇所のベンチ・ソファースペースがあり、誰でも自由に使うことができます。
ハイボール片手に、BGMには「A列車で行こう」オリジナルアレンジのジャズが流れ、車窓に広がる海岸線を愛でる・・そんな旅が待っています!











サニタリースペース デッキスペース


サニタリースペースは1号車の熊本方の1箇所のみ。2つ個室がありますが、どちらも洋式トイレとなっています。
独立した洗面台は無く、個室内にビルトインされた小型の洗面台を使うこととなります。

デッキは暗めの演出ですが、この暗い空間を通ったあとに明るい客室がワッと目の前に広がるという視覚効果があります。
デッキ仕切りドアは木を組み合わせて作った、おもちゃのようなドアは可愛らしさに溢れています。
また、デッキの空きスペースには、水戸岡鋭治氏のアート作品が掛けられていて、デッキも楽しい空間となっています。











JR九州 キハ185系 特急「A列車で行こう」座席図 シートマップ




←三角                                           熊本→

【1号車】



【2号車】



←三角                                           熊本→


(Pictogram powerd by TFV






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