JR北海道 キハ183系 リゾート特急  「ニセコエクスプレス」

 
 
大胆で迫力のある曲線デザインの「ニセコエクスプレス」は、苗穂工場の“新製第一号車両”。
それまでの「アルコン」「フラノ」「トマサホ」は、ハイデッカー車やラウンジ室がウリの特異なリゾート特急でしたが、
「ニセコ」では「上質な一般の汎用特急」を目指したかのような、シンプルな車内構成が特徴的です。

以前は流線型を際立たせるような、シンプルなラインが美しい塗装でしたが、
現在は「北海道日本ハム・ファイターズ」の応援ペイントで、ご覧の通り「キワモノ列車」のような塗装になっています。







普通車

JR北海道が誇るリゾートトレインファミリー。その四男坊である「ニセコエクスププレス」。
苗穂工場の自社新製車としては、1941年のD51型-563号以来の47年ぶりという快挙を成し遂げ、
当時はJR北海道もこの車両を一際大きく宣伝しました。

北海道のリゾートトレインというと「ハイデッカー車両」とか「ダブルデッカー車両」といった華やかさがウリとなっていますが、
この「ニセコエクスプレス」は3両全てが平屋建ての、実にシンプルな構成。
車内も、奇抜なアコモデーションではなく「シンプル イズ ベスト」を感じさせる、クリーンで清楚な印象です。

シートピッチは960mm。一般特急のそれと同等か、もしくは若干広い程度となっています。
登場当時は、座席背面に液晶テレビが各席1台づつ設置されていましたがのちに撤去。
その際、シートモケットも現在のものに交換され、車内の雰囲気が登場時に比べると若干ハデさが増したようになりました。
オーディオサービスは現在も継続中で、各座席にはチューブ型のイヤホンがセットされています。
オーディオパネルには一般用のイヤホンも挿しこめるので、手持ちのiPodなどのイヤホンも使うことができます。

天井は高く、荷物棚のさらに上の空間も余裕たっぷり。間接照明を採用しているので、ほどよい照度で車内を包みます。
各座席の頭上には読書灯とスポット空調が設置されています。ケーシングされた意匠が近未来的で、独特な雰囲気。
床面はハイデッキ構造となっていますが、座席部だけではなく通路も含めて床全体が嵩上げされた構造となっています。
そのためデッキ部分の床と客室の床とは200mmの段差があり、この段差をスロープで繋げています。

運転席直後の席は、運転室助手席側のみ前展望が開けていて、運転手席側は完全な「壁」になっています。

座席はやや固めな印象ですが、背中面と座面には体のラインに沿うようなエッジが付けられていてホールド感たっぷり。
(ただ、このエッジラインは人を選ぶようです。体格が大きめの方によっては、このラインがゴツゴツするかもしれません)
肘掛のデザインは若干難を感じます。リクライニングすると、前方部分への寸法がちょっと足りないように感じられます。


 肘掛の内側にはオーディオサービスのコントロールパネル。
 イヤホーンはチューブ式のものが各座席の背面ポケットに用意されている。
 座席背面には収納式テーブル。いったん手前に倒してからテーブル面をさらに引き出すという構造。
 座席頭上にはスポット空調と読書灯。コンソール型のパーツに一纏めになっており、近未来的なデザイン。
 デッキ仕切りドア上の情報表示装置。文字スクロールなどはなく、時刻と号車表示のシンプルなもの。
 床面全体がハイデッキ構造となっているため、デッキ近くの床面はスロープ状になっている。








サニタリー バゲージスペース デッキ
     
     

サニタリースペースは、洗面台・洋式個室・男性用個室で構成されています。
洗面台は通路と平行に設置されているので、中はかなり広々。自動温水給水の蛇口にエアタオルも設置されています。

デッキのドアは鉄道車両としては日本初の「プラグドア」を採用。
現在では新幹線でもプラグドアの機能を発展させたドアが採用されていますが、このニセコエクスプレスが日本初モノ。

1号車と3号車のデッキにはスキー板やスノーボードが置ける大型の荷物置き場があります。
電話コーナーは車掌スペースに取り付けられていて、なんとなく「場違い」な雰囲気が漂います。
2号車のデッキには飲み物の自動販売機も設置されています。自動販売機にはもちろん「モジャ君」の姿も。








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