JR西日本 キハ181系 特急「はまかぜ」

 

「はまかぜ」は1972年に、特急「まつかぜ」の補完列車として新大阪−鳥取・倉吉間で運転を開始しました。
1982年からは、車種をキハ82系からキハ181系に変更。以来28年間、キハ181系の代表的な特急として「はまかぜ」で活躍。

しかし、京都・大阪口は電化され特急電車が幅を利かすようになり、鳥取直通には新鋭気動車「スーパーはくと」が誕生。
鳥取・山口側ではキハ187系が2両編成で登場して、以前のような長大編成の気動車特急の姿は見る影も無く・・・。

国鉄時代から脈々と受け継がれ、最後まで残ったキハ181系気動車特急「はまかぜ」。
2010年11月にキハ181系での運転を終了し、現在は新型車キハ189系に「はまかぜ」の愛称が引き継がれました。





グリーン車


登場当時は食堂車も連結した長大編成で活躍した「はまかぜ」でしたが、晩年は3〜4両が基本の短編成でした。
そんな短い両数の編成でもグリーン車は必ず連結されていて、長い歴史を持つ名特急の貫禄を放っていました。

客室内は、多少のリフレッシュの手が入っていますが、基本的な部分は国鉄時代から変わってはいないようです。
座席はモケットの張替えが行われているものの、座席そのものの機能やシルエットはR22型座席。
「国鉄特急のグリーン車」がそのままに今に残っています。

巨大リクライニング角度と、肘掛けに展開される小さなテーブル、そして肘掛けにも白いリネン。
床面は登場当時からそうだったのかどうか分かりませんが、カーペットではなくリノリウムのままになっています。
一部の編成には通路に絨毯を敷いた車輌も組み込まれているようで、どうやらリファイン工事時の仕上げ差のよう。

1番列の席は窓が小さめになっていますが、これはこの窓部分がかつて非常口を兼用して頃の名残。
やはり眺望には難があるので、事前指定では可能な限り避けたい区画でもあります。

国鉄特急全盛期の「ロザ」を雰囲気を今に伝える稀有な存在。そしてキハ181系の爆音轟く、豪快な走り。
ノスタルジーにどっぷり浸る旅が堪能できる、オールドファンにはたまらない車両でした。









普通車


普通車もグリーン車同様に国鉄時代の雰囲気を色濃く残していますが、シートはR55系座席でリニューアルが施されています。
座席はフリーストップ式のリクライニング機構を備え、肘掛先端のレバーで操作します。
テーブルは背面収納式のみで、座席を向かい合わせにした際はテーブルがありません。

長期間に跨って全車輌のリニューアルを完了させたようで、車輌によって化粧板や床面などの仕上げに差があり、
細かいところまで観察していくと、ちょっとづつ雰囲気が異なっています。

シートピッチは旧来のままの910mmですので、座席と窓割りの不一致は発生していません。
「窓」といえばこの車輌の窓回りにはカーテンの姿が見えません。実はロール式のブラインドを装備しているのですが、
窓が2列に跨る大きな1枚窓になっているので、ブラインドを下げると前列(ないし後列)の人の視界まで遮ってしまいます。
窓の外が眩しくても、やはりガーッと下までブラインドを下げるのは・・・・ちょっと躊躇われます。








サニタリー デッキ

        

「はまかぜ」号のサニタリーは基本的に全て「和式個室」。グリーン車のみ1ヶ所が「洋式」になっています。
サニタリーのリニューアルも仕上げに差異があり、ちょっとずつ違いがあります。

デッキは1段ステップを設けた登場当時からのもの。ステップ段差部分には足元注意を喚起するステッカー。
ドアは2枚折り戸で内側に折り畳んで開閉するタイプ。








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