JALジャパンの前身、旧・日本エアシステム(JAS)でB777-200・A300とともに主力機材として活躍していたMD-90。 初号機は1996年4月に登場し、黒澤明監督がデザインした7種類のカラーリングが大きな話題となりました。 「クロサワ・レインボー」と呼ばれたJASのMD-90は、幹線からローカル線まで就航路線の幅を広げていきました。 現在までに全16機のフリート構成。当時JASではさらなる増強の話もあったそうですが、 1997年にマクドネル・ダグラス社がボーイング社に吸収されたのをきっかけにMD-90は生産終了となってしまい、 JASはMD-90の追加発注ができなくなってしまいました。そしてJASはJALに吸収合併、機体は虹から太陽へと塗り替えられ・・・ 時代の流れに巻き込まれた日本のMD-90。今もJALローカル・ドメス路線の屋台骨として大車輪の活躍をみせています。 |
機内は2+3の5アブレスト、この左右非対称の座席配置は日本のジェット機ではMD-81・-87・-90だけに見られるもの。 天井の低さを除けば、最大のライバルである「新幹線」にも似た座席配置は、なんとも不思議な雰囲気です。 シートカバーはアイスグリーンとプレインブルーのツートンカラーで、これはJAS時代からのもの。 キャビン内はコンパートごとに仕切られることも無く、最前列から後方席まで一直線に整然と座席が並びます。 そのため、機体が長めのMD-90ではキャビン内を見渡した時に、奥行き感がかなりあります。 機内放送用の映像液晶モニターはオーバーヘッド・ストウェッジの下に収納式のものが装備されています。 離陸前のエマ・デモ放映と、巡航時の機内サービス時にモニターが一斉にウイィ〜ンと現れる様子はメカニカル。 シーチピッチは、ボーイングのほかのジェットに比べると若干広めに感じられました。 アームレストもギリギリまで革張りが施されていて、こちらも好印象。 最後方3列(39〜41番列)は、窓から見えるのが巨大なエンジンカウルという奇妙な空間。(しかも最後列41番は窓無し)。 ホントにエンジンしか見えないので、エンジン好きでもない限りここに当たるとかなり不満かもしれません。 現在、MD-90はクラスJシートの装着が着々と進められています。 クラスJは機体前方に2+2の4アブレストで展開、総席数は5列18席(81番列はA/C席設定無し)となっています。 「MDといえばJAS」というイメージが強かったのも、クラスJ導入でいよいよJALフリートらしさが出てきました。 |
サニタリーは、機体最前方に1ヶ所と機体最後方に2ヶ所。キャビン中ほどにいるとトイレが遠いこと遠いこと・・。 一部は花柄の装飾などが残っており、JASの「フローラル・ルーム」の名残がまだひそかに息づいている個室もあります。 ギャレーは機体最前方と最後方の2ヶ所に配置。 最後方のはその奥にトイレがあるので、トイレに行く客はアテンダントさんの集まるギャレーを突き抜けていくことになります。 短中距離路線用機材のため、ギャレーはとてもコンパクト。JASの2レターコード「JD」の文字がまだコンテナに残っていました。 |