エアーニッポン YS-11A-200

  

2003年8月31日で全機引退となったANKエアーニッポンのYS−11。

埼玉県所沢市の「所沢航空記念発祥記念館」の保存機となった元エアーニッポンのYS−11では、
月に1回のペースで機内の一般公開が行われており、外観同様に引退当時そのままの姿の内装を見ることができます。

この保存機「JA8732」は1969年4月に機体登録。1997年6月に登録抹消となるまでの28年間、日本の空を飛び続けました。





エコノミークラス


キャビン内は大変よい状態で現役当時の雰囲気を保っており、シートに座っていると機体が今にも動き出しそうな錯覚すら覚えるほどです。

モケットはブルーとピンクの組み合わせで、色あせもほとんど無いことから、かなり眼にキツい色をしています。
ANKに移管されたYS機が最初に就航したのは羽田−大島/八丈島の路線だったので、
“どことなく南国”風のイメージで、この「オーシャン」ブルーと「ハイビスカス」ピンクになったのかもしれません。

シートインプレッションは、「さすが日本生まれのYS機」といったところでしょうか。
日本人の体格が設計ベースになっているのか、現在のジェット機に搭載されているシートよりしっくりくる印象があります。
ただ、バックレストの低さから、全身とバックレストに委ねると、頭部分に違和感を覚えますが・・・。
(これはきっと機内の圧迫感を軽減させるためにバックレストを低く設計しているものと思われ)

シートピッチは約800mm。前席の下が広く空いているので、足を投げ出すことができますが、
現役当時のインストラクションカードを見ると、荷物はハットラックではなく足元に収納するように指示されているので、
荷物が多けりゃ当然足元にも余裕は無く、やはりシートピッチ800mmの狭さが相当あったことでしょう。

シート背面には、折り畳み式のシートテーブルを装備。
そのため、JAC日本エアコミューターのYS機の座席アームレストに収納装備されているカップホルダーはありません。






デッキスペース コックピット

   

驚くべきことに、あの収納式のステアウェイがこの保存機では現役で稼働しています。
このステアウェイの華麗な動きは、今となってはそうそうお見かけできるものではなく、
ぜひこのYS機の公開日には公開時間より早めに行って、スタッフさんの公開準備の模様から見てみて下さい。
折り畳み収納のステアウェイが広がっていく芸術的な動きを見ることができます!
機内後方のギャレーは、公開の際に使うポールなどの物置になっているようです。

公開日にはコックピットも見せてもらえます。
保存機の多くがコックピットは非公開だったり、アクリル板を通しての公開だったりと、
なかなかコックピットの生の雰囲気を味わう機会が少ないのが現状ですが、
ここでは遮るものも無く、すぐ目の前に手に取るような臨場感が味わえます。
(とはいえ、本当に手を伸ばして触れてはイケマセンぞ!)




ここで紹介したYS-11の公開日は「所沢航空発祥記念館」のホームページでどうぞ。。。









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