全日空が国内線にボーイング777-300を導入したのは1998年7月のこと。 ハイデンシティの客室構成でB747SR-100を次々と淘汰していき、一気に国内線の顔として君臨していきます。 そして2004年には航続性能をアップさせたボーイング777-300ERが国際線専用機材として登場。 STAR ALLIANCE塗装となった初号機「JA731A」は、同年11月に成田−上海間でデビューを飾りました。 現在までに、ANAのボーイング777-300ERは19機までフリートを拡大させ、B747-400ジャンボ機が活躍していた路線へ次々に就航拡大。 2010年からは「Inspiration of Japan」仕様の新しいキャビンとなったB777-300ERが登場。 その後、この新仕様機を新規受領と同時に従来機も同仕様への改装が始まり、「ニュースタイル」仕様は旧世代仕様となりました。 2012年1月現在、B777-300ERの「ニュースタイル」機は、成田−ワシントンDC・シカゴ・ミュンヘン線と羽田−香港線などに残るだけとなりました。 |
「ファーストクラス」は客室最前方Aコンパートメントに8席が設定されています。 Boeing747-400「ニュースタイル」のファーストクラスとほぼ同スタイルの、個室のようなフルフラットシートです。 B747-400では直線よりやや斜めに座席を設置していましたが、B777-300ERでは真っ直ぐ前を向くように設置されているので、 空間全体がストンと落ち着いた、やや直線的な雰囲気となっています。 座席の機能、及び付帯設備もB747-400のものとほとんど変わりありません。 「リラックスポジション」「フルフラット・ベッドポジション」「離着陸時のノーマルポジション」は、ボタン1つで自動でセットが可能。 こまめなリクライニング角度の調整や座面高さの上げ下げ、シート本体の前後スライドも簡単な操作で思いのままです。 ちなみにシートリクライニングの最大角度は130度。ベッドポジションはフルフラットでもちろん180度まで倒れます。 また、ランバー部分にはリフレッシュマッサージ機能があり、ブルブルブル・・・と柔らかい刺激で腰をマッサージ。 シートテレビは15インチの液晶テレビで、この大きさは世界のFクラスでも最大級の大きさです。 (ちなみに国内線運航時はテレビ放映サービスは一切ありません。エマージェンシーデモもCAさんの実演で行われます) シートポジションコントロールパネルの下には、パソコン用の電源とLANポートがあります。 ただ、残念なことに機内インターネットサービス「ANA@AIR」は2006年12月29日をもって終了となっています。 |
ANAが最もチカラを入れていると感じるニュースタイルビジネスクラス「CLUB ANA」。 B747-400でも61席及び74席(コンフィグにより異なる)の設定だったのを、B777-300ERでは平屋建て機材にしてなんと77席を設定しています。 Aコンパートの1/3、Bコンパートの全て、Cコンパートの半分を「CLUB ANA」が占め、特にBコンではこの大型シートがズラリ並び、「圧巻」の一言! 座席はやや傾斜の付いたフルフラットになる「ライフラットシート」で、基本仕様はB747-400で導入された「ニュースタイル」を踏襲しています。 「リラックスポジション」「フルフラット・ベッドポジション」「離着陸時のノーマルポジション」は、もちろんボタン1つで全自動セット。 ランバーサポート、リフレッシュマッサージ機能、シート座面の上下、最大130度までのフリーストップリクライニングももちろん思いのままです。 そして、B747-400のものからさらに進化してるのが、隣席との視界を仕切る「収納式パーテーション」の設置。 一見簡単なモノのようですが、実際に引き出してみると予想以上にプライベート感がアップする優れものです。 カクテルテーブルとダイニングテーブルの大型化、コントロールパネル位置をより手元近くに変更。 さらにシート背面のマガジンラック・小物ポケットなどの各部のデザイン変更が行われ、B747-400よりさらに使い勝手が良くなっています。 テレビは9インチの液晶TV。国際線運航時は多彩なオーディオ・ビデオサービスがオンデマンドで楽しめます。 パソコン用の電源とLANポートはセンターアームレストの奥にありますが、Fクラス同様にインターネット接続サービスは終了となっています。 国際線運用時の画像をスレタイ職人様よりご提供いただきましたので御紹介いたします。 真っ青なカバーのピローがセットされていて、これから始まる長距離航行への期待感が高まりますね。 |
近年、各国のメガキャリアがこぞって採用しているクラスサービスが「プレミアム・エコノミー」クラス。 「エコノミークラス」よりもちょっぴりワイドなシートとピッチがウリのサービスですが、日本のキャリアでは全日空が先駆け。 シートカラーが後述の「エコノミー」と同じなので一見違いが見分けにくいのですが、サイズから言うと一昔前のCクラス並みです。 フットレスト・レッグレスト・PC用電源・LANポート(機内インターネットサービスは終了)・ランバーサポートを装備。 ちなみに、国際線運航時の機内ミールサービスはエコノミークラスと同じものが出るそうです。 シートピッチ・座席幅ともエコノミーより20%広いそうで、実際に座ってみるとピッチは足元にゲンコツ1個分(バックレスト1枚厚さ分)広く、 座席幅は、かつてのスーパーシートの座席(B747-400Dに装着されていたタイプ)よりも若干狭いかなという感じでした。 最もベーシックな「エコノミークラス」は、機体後方に174席が設置されています。 3+3+3の9アブレスト(後方列席は2+3+2)でシートが並び、全席にパーソナルモニターが設置されています。 テレビでのビデオサービスはF/Cクラス同様にオンデマンド式で、好きな時に好きな映画が最初から楽しめます。 最大リクライニング角度は34度。最大ピッチは87センチ(34インチ)だそうで、やはり数値的な狭さは拭えません。。。 |
「CLUB ANA」といえばバーコーナー「ANA SKY BAR」。もちろんB777-300ERにも、Bコンパート後方に設置されています。 B747-400ニュースタイル機では「ストーン」調でしたが、B777-300ERでは木目が目立つ「ウッド」調。 成田−伊丹線の「国内線」に投入される時は、ご覧の通りにカウンターやドリンクホルダーはカラッポです。 「国際線」運用時の貴重な画像をスレタイ職人様よりご提供頂いたのでご紹介します。 アルコール類はワイン・ウイスキー・ビール・日本酒が、ソフトドリンクやミネラルウォーターもセットされます。 チョコレートやおつまみ、時間帯によっては軽食もセットされるそうで、一部のアメニティも随時置かれているようです。 たまたま乗客の大変少ない便に乗合わされた時には、バーコーナーはほとんどカラッポ。 替わりに乗客の多いコンパートに近いギャレイの一部がバーコーナーになっていたこともあったそうです。 サムネイル画像の一番右がその時の画像で、ドリンク・チョコからアメニティまでセットされているのが分かります。 ファーストクラスとCLUB ANAのゾーンにあるサニタリコーナーはシンク内側が青くなっていて、さりげなく「ANA」を主張。 さらに全身鏡と着替え時に使える折りたたみ式のステップも装備され、機内で身支度を整えることを可能にしています。 Bコンパート前方(CLUB ANAゾーン内)の右側にあるサニタリーは車椅子対応となっていて、中はかなり広くなっています。 そのほか、機内3ヶ所のサニタリースペースには収納式のベビーベッドを装備しています。 「国際線専用機」というだけあって、機内のギャレーは多めかつ広く作られています。 ちなみにB777-300ERは長距離飛行を踏まえ、客室キャビン後方の天井裏にクルーレストが設けられています。 |