大海原を越え、国境を越え、世界の大空に翼を広げてきたトリトンブルーのジャンボ機。 1991年に国際線に就航した最新型ジャンボ「ボーイング747-400」型機は、この時以来ANA国際線のエース旅客機として君臨。 「シカゴスタイル」から「ニュースタイル」へと、常に時代のニーズを先取りする最新の設備を取り入れてきました。 しかし、燃費効率に優れたボーイング777ファミリーの台頭が、徐々にボーイング747-400の活躍の場を狭めていきます。 2007年の初号機「JA8094」の退役を皮切りに、年間で2〜3機の退役が相次ぎ、活躍路線を次々に777シリーズに譲っていきました。 最後までANAフリートに残った国際線ジャンボは「JA8958」。 2011年3月21日のチャーターフライトでラストを飾り、ここにANAの国際線ジャンボの歴史の幕が静かに下ろされたのでした。 |
1986年、Boeing747-200Bで国際線定期運行へ進出し、世界へと羽ばたていったトリトンブルーの翼たち。 「国際線=鶴の日航」という巨大な牙城へと喰い込んでいくため、全日空は国際線シップに思い切った設備を次々と導入していきます。 ビジネスクラスの6アブレスト化、「シカゴスタイル」で反響を呼んだバーコーナーやビジネスコーナーの設置、 オンデマンド式のエンターテイメントシステムの装備、50インチシートピッチの採用・・・ ファーストクラスにおいては日本の航空会社で初めて「フルフラットシート」を採用したのも全日空でした。 ファーストクラスのソロシートは、日本航空が先鞭をつけましたが全日空もすぐにこれに追従。 全日空が開発したソロシートは、フルフラット時に幅約85cm x 長さ約195cmのベッドになるという、旅客機シートとしては世界最大のサイズ。 体の大きな西洋の男性客でもラクに寝返りが打てるという「究極のシート」。全日空の「先進性」が光る逸品です。 座席は、シェル型のパーテーションが大きく座席を包み込むので、「独立型」というよりもはや「個室」のプライベート感です。 リクライニング・レッグレスト/フットレスト・ランバーサポート、全て電動式で任意の位置でストップが掛けられます。 テーブルは、国際線ではフルコースのミールサーヴを前提としているのでかなりの大きさです。 画像では12インチのノートパソコンを載せていますが、それでもテーブル上にかなりの余裕があります。 |
2002年4月、成田−ロンドン線に登場したニュースタイル「CLUB ANA」。 フルフラットシート・ランバーマッサージ・オンデマインド式AVシステムなどを装備して、 世界のエアラインでも屈指の豪華さを誇るビジネスクラスへと進化しました。 (画像は、東京・汐留の「ANAスクウェア」で一時期展示されていたシート・モックアップです。) |
「シカゴスタイル」ではスツールとカウンターが設置され、まるで本格的な「バー」のようなコーナーでしたが、 「ニュースタイル」では座席の居住性が上がったこともあって、セルフドリンクコーナーのようなスタイルになりました。 (「国際線」運用時の画像は、スレタイ職人様よりのご提供。多謝!) |
画像のラバトリは、ファーストクラスとビジネスクラス「CLUB ANA」の間にある上級クラス専用のサニタリコーナーです。 シンクが透明感のあるブルーのガラス(プラスチック?)になっていて、なんともいえない高級感があります。 カガミの脇にある3段の小物置きには、ヘアリキッドや保湿化粧水(ちなみにブランドはカネボウのDEW)が置かれ、 このサニタリを使える上級クラスの利用者は、誰でも自由に使えるようになっています。 さらに全身鏡と着替え時に使える折りたたみ式のステップも装備され、機内で身支度を整えることを可能にしています。 |