「クラシック」と称されるボーイング747初期シリーズの中でも、B747-200Bは全日空にとって特別な存在。 「45/47体制」の崩壊で長距離国際線への進出が可能になった「全日空」。 この悲願の夢を支えたのがB747-200Bでした。 世界各国へと飛びつづけた-200Bでしたが、B747-400そしてB777の受領が進み、 ついに2002年7月、花形である国際線から国内線機材へとコンバート。B747-400Dを補佐する役へと変わりました。 「全日空」をワールドワイドエアラインへと羽ばたかせたB747-200B。 「スターアライアンスメンバー」への成長を影ながら支えたといっても過言で無い立役者。 最後まで残ったJA8174とJA8175は、2005年11月・12月に相次いでラインアウトし、現役引退となりました。 |
B747-200BとB747SR-100の「スーパーシート・プレミアム」はアッパーデッキに設置されています。 B747やB777の「スーパーシート・プレミアム」が機首部分Aコンパートゾーンに設置されているのに比べると、 搭乗ゲートからさらに階段を上がって・・・とちょっと遠い感じがするのですが、 この「階段に上がる」というアプローチが、「特別な空間に入っていくゾ!」という高揚感をさらに煽ってくれます。 シート自体は他機種のものと同じですが、かつての国際線ビジネスクラス「CLUB ANA」のデザインに似ているので、 まるで国際線専用機として君臨していた時代の“-200B・スーパージャンボ”を髣髴させてくれます。 オーディオサービスの操作パネルは古めかしく懐かしくもあるダイアル式。 チャンネル番号やボリュームの文字が小さく、見難いのが難点です・・・。 |
「スーパージャンボ」のスーパーシートにはオーバーヘッド・ストウェッジ(荷物収納棚)が設置されていません。 そのため天井が完全な円形を描き、小田急VSEロマンスカーも真っ青な「ヴォールト・ルーフ」になっています。 荷物は窓際席と壁面の間にある、蓋付きのバゲージボックスに収納します。この収納ボックスがかなり小さい!! 幅が20センチほどしかなく、ちょっと大きめの手提げカバン(トートバッグ)がなんとか入る程度。 旅行用のボストンカバンやバックパックのような大きさになると、もう確実に入りません。 スーパーシートプレミアムは、預かり手荷物の許容量が35キロまでと余裕があり、 またバゲージクレイムでも優先引取りができるので 「スーパージャンボ」のスーパーシートプレミアム搭乗の際は、手荷物はできるだけ預けたほうがよろしいかと。 先述のようにスーパーシートはアッパーデッキにあります。 階段を上って2階席と1階席を行き来するわけですが、この階段の勾配がかなり急です。 時刻表などでは・・・ 「74R表示便のスーパーシートは2階席に設定されています。 満3歳未満の幼児同伴および単独歩行が不自由なお客様はご利用いただけませんのでご了承ください。」 という注意書きがありますが、この勾配の階段ではなるほど、納得です。 画像の「機内食」は2005年初夏の夕食メニューの一部です。 この食事(ANAでは「軽食」と案内)は、朝・昼・夕の時間帯のみの提供で、「茶菓」提供の便がほとんどです。 ちなみに、お弁当箱の中には、季節のイラストを添えた「お品書き」が入っています。 |
機内全景・座席単体ともにB744テクノジャンボと変わりは無いので、一般の利用者からすれば機種が違うことも気が付かないかも。 国際線から国内線にコンバートされた際、アッパーデッキとAコンパートとBコンパートのCクラス「CLUB ANA」をそのままに残し、 スーパーシートとして使われていましたが、現在ではA・Bコンパートは普通席に改修されています。 なお、Bコンパートの14番列と16番列の間にパーテーションがあるのは、CクラスとYクラスを仕切っていた頃の名残。 Cコンパートには窓割りが大幅にズレている窓側席が存在します。列番号は30・31・33番の3列。 ここは通常、シートアサインがされないようにブロックされているようです。 |
「あれ?これってもしかして古いタイプのジャンボ機?!」と気が付かされるのはオーディオパネルに手を伸ばした時。 チャンネルと音量をダイヤル回転で操作する、今となってはレトロなタイプ。 このダイヤルをいじっていると、むか〜し家にあった小型のラジオを思い出してしまうのは私だけでしょうか(笑) そのほか、ギャレーの仕切り壁になんの模様も無く、飾り気が無かったり、 通路上にテレビモニターが設置されていなかったりと、よく見るとB744「テクノジャンボ」との違いが多々見つかります。 |
B747SRとB747-200B(B747LR)は全日空の時刻表では「B74R」と表記。 実際どっちの機種が使われるかまでは、厳密に区分けされていません。 そこで、SRとLRと確実に見極める方法。web予約時にコンフィグレーションマップで空席を見ることが出来ます。 スーパーシートなら、71番がAからD番まで4席あるのがB747SR。AとBの2席しかないのはB747-200B(LR)。 普通席のコンフィグはさらに複雑で、Bコンパートがストンと落ち着いて配席されているのがB747SRの「JA8159」。 Bコンパートにデッカいギャレーがあり、D〜G席が無いのがB747SRの「JA8157」。さらに15番列がないのがB747-200B(LR)。 |
ラバトリースペースも一見、B744テクノジャンボと変わらないように見えますが、 よく見てみると、シンク周りの縁部分の造型処理などにやや無骨な部分が見え隠れ。 元々国際線仕様だったこともあり、ほかのジャンボに比べて機内のラバトリースペースは多めに設定されており、 基本的な配置以外に、Bコンパート後方・Cコンパート後方にもラバトリーがそれぞれ2ヵ所づつ配置されています。 アッパーデッキ「スーパーシートプレミアム」ゾーンは階段の脇に。ここのサニタリはかなり狭い! |
全日空のB747-200Bといえば、(内装趣味見地的に)やはり機内に設置されたギャレーの多さが特徴でしょうか? 国際線時代の大型ギャレーをBコンパート・Cコンパート前方・Dコンパート後方・Eコンパート前方に備えています。 現在、実際に使われているのはCコンパート前方とDコンパート後方の2ヵ所だけですが、 他の2ヵ所も設備としてはほとんど撤去されておらず、ほぼ国際線時代のままの姿を拝むことが出来ます。 画像はEコンパート前方の、現在は使われていないギャレー。(許可を得て撮影) 国際線長距離路線への充当時には、ミール・ドリンク類を満載したカートをいっぱいにスタンバイしていたのでしょうね。 |