北海道国際航空  Boeing767-300ER

 

1998年12月20日、羽田〜新千歳線で運航を開始した北海道国際航空−AIR DO。
当時の同社の「虎の子」として、わずか1機で活躍したのがボーイング767-300ER型(JA98AD)です。
しかし、1機だけでは一日に運用できる便数に限りがあり、また定期整備に入ると全便運休となってしまうなどの問題も。

就航開始の2年後、2000年7月にやっと2機目の機材を導入。
2号機もボーイング767-300ER型(JA01HD)となり、一日6往復の本格的な運航ダイヤで飛躍し始めます。

その後、同社は巨額の負債を抱えての民事再生手続きに入り、ANAとの提携の元で企業としての再生を行うなど、波乱の展開へ。
現在は、ANAとの提携の中とはいえ、フリート数を拡大し数々の新規路線に就航を開始する躍進を続けています。

同社の苦楽を知る生え抜きの機体「JA98AD」と「JA01HD」の2機は、AIR DOの屋台骨として会社を支え、飛び続けています。

(ここで紹介するB767-300ERは、エアドゥの初号機「JA98AD」にて撮影しました。)







エコノミークラス


キャビンは、基本2+3+2の7アブレスト。全席が普通席で上級クラスの座席は設けられていません。
ボーイング767型機における普通席の7アブレスト配置は、JALやANAといった大手航空会社と同じもの。
これは就航当時から変わっておらず、同じ「新規参入組」のスカイマークがB767でハイデンシティ配置を採用したのとは対照的。
シートピッチも、Web上での感想では「狭い」という声が多いが、実際に乗ってみた感じでは極端な狭さは感じませんでした。
大手の普通席標準の「790mm」ピッチ程度ではないかと思われます。
(初めてスカイマークのB767に乗った時の方が、よっぽどもその狭さに驚いたのが実の感想。)

「JA98AD」はファイナンス会社からのリースという形ではありますが、ボーイングで新製された機体をそのまま導入しています。
機内座席の爽やかな印象のストライプ模様のカバーは就航当時からのもので、エアドゥオリジナルの柄となっています。
(ANAからリースを受けている機体の座席は、ANA時代のままの青いカバーをまとったものが在籍)

座席は「シクマ」社製。膝周りの空間を広げるために前席の下部が大きくえぐられていて、座席下に足を伸ばるようになっています。
座席周りの設備は背面テーブル・オーディオパネル・マガジンポケット。肘掛先端の灰皿は封印され、開かなくなっています。
背面テーブルは充分な大きさで、機内でお弁当を食べたり、書類を広げたりするのも苦になりません。
テーブルは展開後に、手前へと引き寄せることができます。

機内ではエアドゥオリジナルプログラムの音楽サービスが行われていて、オーディオパネルは大活躍。
北海道出身のアーティストや北海道に関わる曲など、大手航空会社のプログラム構成とは一味違ったオーディオサービスが楽しめます。
天井に装備されている読書灯のON/OFF、キャビンアテンダントさんのコールボタンもパネル内に収められています。

天井の荷物収納棚ですが、特に窓側にあるものは「ハットラック」タイプで、収納力があまりありません。
北海道土産や東京土産を買いすぎてしまったお帰りの際は、機内持ち込みせずにカウンターで預けた方が得策です。

エアドゥで活躍しているボーイング767型機は、2009年8月現在で3機が在籍していますが、
導入元が全て異なるために、3機全ての機内シートコンフィグと定員が異なるという不思議なフリート構成となっています。
(「JA98AD」は新規導入、「JA01HD」はベルギー・シティバード社から中古導入、JA8258はANAから提携導入)
しかし、基本的な2+3+2の座席配置は同じなので、どの機体に当たってもアタリ・ハズレはありません。
予約時の座席指定画面で、客室最後部のシートマップを見ると3機それぞれの特徴が出ているので、事前にどの機体か分かります。

「JA98AD」・・・・(286席仕様)・・最後列が44番CDE席
「JA01HD」・・・・(289席仕様)・・最後列が43番AB・CDE・FG席
「JA8258」・・・・(288席仕様)・・最後列が47番CDE席
(ただし、当日の急な機体変更の可能性もあります)


  膝部分にあるマガジンポケット。
  あまり口が大きく開かない。ペットボトル飲料を画像の深さまで押し込むのがやっと。
  テーブルは展開後に、手前へと引き寄せることができる。
  マガジンポケットの中にセットされているもの。「ラポラ」はエアドゥオリジナルの機内誌。けっこう面白く読める。
  ディスポーザルバッグは、日本では珍しいちょっとデザイン重視のもの。エアドゥらしく、可愛らしい雰囲気が漂う。









ギャレー サニタリー
      

ラバトリは各機体とも、キャビン最前方・中間部・最後方の3ゾーンに設置されています。
このうち、収納式ベビーベッドを備えているのは最前方と最後方のラバトリとなっています。

機内サービスのドリンクはソフトドリンクが中心で、エアドゥオリジナルのオニオンスープなどもあります。
アルコール類は全て有料でおつまみとのセット販売。ビールは北海道のエアラインらしく「サッポロクラシック」を積んでいます。
機内誌は「ラポラ」のほかANAの「翼の王国」や新聞各紙も用意。さらに機内貸し出し用に北海道に関する本や雑誌も搭載。
エアドゥオリジナルグッズの機内販売も行われていて、新規参入組の中では機内サービスがかなり充実している会社です。





エアドゥB767-300の補完情報がある「座席探訪プラス」はこちらから。





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