京成電鉄 AE100形 シティライナー(旧:スカイライナー)

 

空港への鉄道アクセス列車として「パイオニア」でもある、京成電鉄の空港特急「スカイライナー」。
都心から遠くて時間がかかって不便と言われてきた成田空港へ、ターミナルビルの直下に乗り入れる鉄道線が開業したのが1991年3月。
京成電鉄とともに、JR東日本も新型特急(「成田エクスプレス」)を新造しての空港アクセスへの参画が決定していましたが、
京成ではJRよりも先手を打つべく、ターミナル乗り入れの約1年も前から新型特急AE100形「ニュースカイライナー」をデビューさせました。

平滑でスマートなボディ、ダイナミックな先頭形状、力強くもお洒落なブルーとレッドの帯。
そして何より、ライバルである「成田エクスプレス」は当時は車両定員が少なく満席便続きのため切符が取れないという苦情が相次いだ中で、
8両編成でキャパシティも大きく、所要時間も大きく変わらないという“質実剛健”な点が評価されるように。

2010年、北総鉄道経由で空港へのルートをショートカットする「成田スカイアクセス」が開通。
「スカイライナー」の愛称を新型AE形に譲り、AE100形はこれまでと同じ船橋経由で空港へ走る「シティライナー」の愛称が附されました。



−AE100形 「シティライナー/スカイライナー」 エクステリアカラー−
ボディベースカラー:グローバルホワイト'
外板ライン:フューチャーブルー
外板ライン:ヒューマンレッド







普通車


車内は、スカイブルーのモケットをまとった座席とライトグレー基調の壁面で、爽快な印象。

座席は「日本発条」製。
シートピッチは1,040mm。乗車時に乗り合わせていた西洋人の様子を見ると、足の長い彼らでも余裕のある広さのようでした。
リクライニングも、1時間程度の乗車には充分すぎるほどの角度まで倒れます。
クッションは座面・背面ともに、ほどほどの柔らかさ。リクライニングをフルで倒した時、前方が若干寸足らずな印象を受けました。
また、テーブルを展開させた時、シートピッチが広めのためかテーブルが手元からかなり遠いように感じます。

フットレストは跳ね上げ収納式。足を乗せておかないと跳ね上がるタイプで、下ろした状態での固定はできません。
画像は後期導入編成の、足載せ面が広いタイプ。初期導入の編成では、これより細いバータイプに近いフットレストを備えています。

座席は自動一斉回転機能を備えていて、京成上野駅側では10分ちょっとで折り返す列車もあるので、車内清掃の短縮に役立っているようでした。

車内全面禁煙が主流の世の中にあって、1号車と8号車の両先頭車は喫煙車に設定されています。
対抗するJR東日本の「成田エクスプレス」が全車禁煙なので、煙草が吸えるという理由で「スカイライナー」を利用する人も多いようです。
(2010年の「シティライナー」化に伴い、全車禁煙になりました。)

4号車には、車椅子専用席が設置されています。両脇のアームレストが跳ね上げ可能で、車椅子から座席への移動を楽なものにしています。



 座席間のアームレストは、跳ね上げ収納が可能となっている。
 荷物棚の下には、スポット空調と読書灯のスイッチが設置されている。。
 足元にはフットレスト。跳ね上げ収納式で、下げた状態での固定はできない。
 窓下部の框部分には、ペットボトルや携帯電話程度なら置いておくことができる。。
 背面テーブルの収納表面には、成田空港利用者のために各ターミナルと航空会社の一覧表がシール貼りされている。










サニタリー


サニタリースペースは、8両編成のちょうど中間部分、4号車客室と5号車客室の間に設置されています。
洗面台と洋式個室、男性用個室、車椅子対応の大型個室があり、このうち大型個室にはベビーベッドが設置されています。







ラゲージスペース デッキ サービスコーナー コックピット
     
     
     

各号車ともデッキと客室の境目にバゲージスペースが設置されています。
空港特急としては不満の声が上がりそうな大きさと広さで、スーツケースの大きさによっては、この空間に入らないことも。
バゲージスペースに荷物を収納できなかった乗客が、自席まで荷物を持ち込んで通路に置いている光景がよく見受けられます。

デッキは大きな荷物を持って乗り降りするにはやや狭く、乗降ドアの幅も大きな荷物を抱えての乗車にはかなり狭く感じます。
ゆえに、乗客の多い時間帯やピーク期には「ドアが狭い」→「デッキが狭い」→「荷物棚が小さい」という悪条件が続くために、
なかなか乗車の行列が進まず、発車時間が迫っている中で車内に入れない乗客が焦っているということも。

途中「京成船橋」に停車する列車は、京成船橋駅で開くドアが限定されています。(下りは最後尾8号車・上りは空港寄りの2号車)

4号車のデッキにはカード専用電話が設置されています。利用できるのは日暮里−成田間で、その前後の地下区間では利用できません。
5号車の成田空港寄りには、自動販売機とカウンターを備えたサービスコーナーが設置されています。
当初はここに電子レンジなどを設置して「セルフ・ビュッフェ」とする計画もあったそうですが、今でも「自動販売機コーナー」のままです。






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