白い「かもめ」の好評を受けて、「ソニック」系統の増備も885系白い特急シリーズへと切り替わりました。 「かもめ」編成とはスタイルこそ同一のものの、随所に「ソニック」独自の装いを纏っています。 インテリアにおけるカラーコードも「ソニック」オリジナルのカラーリングへと変化しました。 |
グリーン車の構造は、白い「かもめ」と同じく半室の設定。 1+1+1の3アブレストの4列配置で12席と、座席数も「かもめ」と変わりありません。 本革張りのシートも「かもめ」と同じですが、ご覧の通りカラーリングが「かもめ」の「ブラック」から、 より華やかながらもシック印象の「ボルドー」になりました。 同じ「ソニック」の愛称を名乗る「ワンダーランドソニック883」の明るさを、より上品に昇華させたようです。 が、座りゴコチに関しては「かもめ」と同じく、走行中の横滑りに前滑りが気になります。 座席の機構は「かもめ」編成と同一。「ソニック」でも、座席の高さが変えられる機構は撤去されていました。 それぞれに独立した木製テーブルがついている点も「かもめ」と同じですが、楕円形のデザインに変更されています。 デッキ寄りの壁面にはこの電車をデザインしたデザイナーのイラストがさりげなく飾られています。 車内随所の木材は「かもめ」とは異なっているため、インテリアの印象も大きく変わっています。 「かもめ」では、木目の白さを感じる「ハードメイプル」を統一して使っていましたが、 「ソニック」では「ウォールナット」「ペアウッド」など、明るい「赤み」を帯びたものが採用されました。 |
グリーン室の入口です。ここにも「天然木」の素材が活かされています。 この扉の向こうが、サービスコーナーと専用サニタリーを挟んで客室となっているのは「かもめ」同じ構成です。 「かもめ」編成ではサービスコーナーに液晶ビジョンを装備していましたが、「ソニック」ではこれを装備していません。 全車のデッキ仕切りドアの上部の情報表示装置で文字ニュースが流れるように受信装置を追加装備しています。 サービスコーナーは喫煙ブースとなっていますが、「ソニック」編成には感知センサーが取り付けられていて、 人のブースへの出入りを感知すると自動的に排煙装置が起動するようになっています。 |
「かもめ」同様、普通車座席にも「本革」が使われています。 座席のカラーリングはグリーン車同様「かもめ」とは異なり、「ブラック」から「マロン」になりました。 化粧板は「かもめ」では「オフホワイト」で白一色だったのに対し、「ソニック」では「ライトグレー」がかった色になっていて、 車内が若干暗めに感じられます。 3号車の「落ち着き空間」は「ソニック」でも健在。壁面やハットラックが一面「ダークグレー」になっています。 2号車の座席にはパソコン用の電源ジャックを装備しているのも「かもめ」から引き続いての装備です。 |
各車輌のデッキにはコモンスペースを設置しています。 3号車は、中間増備車「サハ885-300」はデッキ一面がコモンスペースとなっていて、この空間はかなり広々としています。 ブーメラン状の木製ベンチが新鮮です。 「かもめ」編成では全てのコモンスペースに液晶AV装置が装備されていましたが、 「ソニック」では電光表示板での文字放送が行われているので、3号車以外はAV装置が装備されていません。 デッキ付近は「かもめ」以上に遊びゴコロが炸裂しています。 「風神」「雷神」のイラストが左右の壁面にシンメトリに掲げられ、天井のカラー照明は赤〜青〜緑と時間で変化。 電話ブースには「暖簾」が掛かっていて、電話のピクトグラムは「家紋」のごとく色抜きするという凝りようです。 「ソニック」編成では、乗車口の開閉時にドアチャイムが鳴るようになりました。 「かもめ」編成と同様に、2号車の大型レストルームを備えるデッキは「ギャラリーコーナー」になっています。 「かもめ」では「墨書」でしたが、「ソニック」では「墨画」になりました。 画の内容は、これまた編成によって異なっているので、乗るたびに要チェック! ちなみにこの「墨画」の作者は、この特急をデザインした水戸岡鋭治氏。 「琳派」の流れによる独特の絵を、水戸岡流にリメイク・リデザインしたものです。 |