JR北海道 789系1000番台 特急「スーパーカムイ」/快速エアポート

  


「北のL特急」として30年来の活躍をしてきた781系を置き換えるかたちで、2007年10月にデビューした789系1000番台。
すでに「スーパー白鳥」として活躍中の789系の派生形式で、「スーパー白鳥」用789系をさらにシャープにしたスタイル。
シルバーメタリックのボディにライトグリーンとラベンダーバイオレットのラインは、クールでスピード感を醸し出しています。

それまでの「スーパーホワイトアロー」と「ライラック」のコンビに代わって、愛称も「スーパーカムイ」に統一。
785系とタッグを組んで、新千歳空港〜札幌〜旭川を結ぶ道央圏の太いパイプとして活躍中です。


−789系-1000 スーパーカムイ デザインコンセプト−

トータルコンセプト
快適性向上・冬季の安全性向上・環境への配慮
ベースカラー:シルバーメタリック(クールの象徴)
エクステリアテーマ
清涼感・都会的
ボディライン:ライトグリーン(JR北海道のコーポレートカラー)
インテリアテーマ
優しさ・暖かみ
ボディライン:バイオレット(ライラック・ラベンダー)







指定席車「uシート」

4号車は、785系と同様に指定席「uシート」車両となっています。
車内はブラウン系統のカラーリングを基調とし、落ち着きの中にも静かな華やぎが感じられます。
2000年代に入って静かなブームとなっていた「アースカラー」を率先して取り入れたインテリアとなっています。

座席は785系の「uシート」と比べると、座席の随所に丸みを帯びたラウンド形状のデザインとなっています。
シートピッチは1,050mmで、785系と同サイズを踏襲。「普通車」としては破格のシートピッチの広さを誇ります。

ヘッド部分には大型の枕を備え、上下可動式。任意の高さで設定ができるので、自分の好みの高さに合わせることができます。
座席背面には付帯サービス設備がたくさん装備されていて、中でもやはり一番人気は電源コンセント。
各席とも収納テーブルの下部にコンセントがあり、自席に座りながらパソコンや携帯電話の充電が可能となっています。
収納テーブルは、電源コンセントともに車内でのパソコン利用を考慮したのか、テーブル展開面がかなりワイドサイズ。
テーブルの下には折り畳み式のドリンクホルダーと、網ポケットが装備されています。
また、背面上部には収納式のフックがあり、弁当などを駅で買った際のビニール袋やジャケットなどを掛けておくことができます。
(フックはこの座席背面のほかに、窓側壁面にも同じ収納式のものが設置されています)

アームレストは、これまでにない曲線デザインになっていて、腕を載せた時に無理ない姿勢で寛ぐことができます。
窓下の壁がポッコリとヘコませてあるのも特徴的で、窓側席でも肘掛に腕が載せられる「ゆとり」が。

座席は785系の「uシート」で感じられたような「固さ」はなく、座面・背面とも適度なやわらかさが感じられます。
腰部分の適度なカーブラインも程よく体をホールドしてくれ、全体的に785系からのレベルアップを感じさせる出来栄え。
やはりというか・・・窓が1列1枚の窓展開で、視界があまり広く感じられないのがちょっと残念ではあります。

札幌寄りの客室端部には空港利用客への配慮から、2段式の大型荷物置き場があり、大きめのスーツケースも収納が可能。


 ヘッド部分には、かなり大きめのマクラ。しかもけっこう柔らかく、これで普通車用座席とは恐れ入る!
 上下可動式だが、動きに若干難を感じる座席もある。ヘッドカバーには「Reserved seat」の刺繍入り。
 座席背面の上部には収納式のフック。
 テーブル収納のラッチパーツと一緒になっている小さなポケットは、チケットホルダー。
 現地ではすっかり利用者に浸透したサービスのようで、車掌も黙々とホルダーに差された切符をチェックして回る。
 ドリンクホルダーと網ポケット。網ポケットは口が大きく広がらないので、ペットボトルはドリンクホルダーへ。
 網ポケットにはJR北海道の車内誌と、北海道のお土産が買える通販カタログがセットされている。
 センターアームレストは座席間へ持ち上げての収納が可能。
 車椅子対応席の前後となる座席だけにインアーム収納テーブルが装備されている。
 車椅子席が1人掛け仕様のため、向きによっては前に座席がないため背面テーブルが使えないための救済措置。
 床面には座席部のみタイルカーペットが敷かれていている。
 高級感を演出するとともに、床下からの振動削減と防音効果を高めている。
 フットレストは設置されていないが、座席が1本支柱構造となっているので前席下に足を伸ばすことができる。
 札幌寄りのデッキ寄りには大型のバゲージスペースが設置されている。
 快速「エアポート」として新千歳空港へも乗り入れるため、空港利用者のトランクやスーツケースに対応した大きさ。







普通車

普通車は、「uシート」同様にアースカラーを用いたブラウン系統のインテリアで統一感が図られています。
座席は「uシート」よりも赤みが強い茶褐色となっていて、さらに照明が電球色なので全体的にややクドい感じも。

座席ピッチは960mm。785系がリニューアル時に導入した座席と同じタイプの座席のようで、足元の取り付け台座以外はほぼ同形。
「スーパーカムイ」では789系と785系が混在して使われていますが、自由席利用ではどっちに当たっても同じ座席ということに。

座席背面には収納式テーブルと網ポケットが設置されています。
テーブルはワイドサイズで、パソコンを広げたりお弁当を食べたりするのに不自由無い居住性を感じられます。
網ポケットは口があまり大きく広がらず、ペットボトルもやっと差し込めるという程度。
窓框部分に幅があるので、飲料はここに置いている利用者が多いようです。

座席間のセンターアームレストは、持ち上げて座席間に収納することができます。
座席を支える支柱が真ん中の1本構造となっているので、前席の下に足を延ばすことができます。

座り心地は785系のシートインプレッションと同様に、やや固め仕上げの背面が時間経過とともに体にダレてくる印象を与えます。
座面が広めで、ほどほどにクッションが効いているので、背面との微妙なアンバランスさが全体をスポイルしているようで勿体無いです。

785系と789系で乗り比べた際に気になったのが、785系では感じられなかった客室に響く「ブーーン」という低周波音。
785系でもモーターの付いている車両に乗ったのですが、なぜか789系のほうでは不快に感じるほどに耳に付きました。







サニタリー

サニタリースペースは1号車と4号車と5号車に設置されています。1号車と5号車は洗面台・洋式個室・男性用個室で構成されています。
洗面台は扉付きの「個室」となっていて、折畳み式の踏み台も設置されているので着替えも可能。もちろん扉のロックも可能。
洋式個室には赤ちゃんを座らせておけるベビーホルダーが設置されています。

4号車のサニタリースペースは、車椅子対応の大型個室。ドアは2枚扉でワイドに開き、もちろん手すりなども完備。
室内には洋式便器、洗面台、ベビーホルダーのほか、おむつ交換に使える収納式のベビーベッドを備えています。
この大型サニタリー個室は、JR北海道の車両としては初となる「オストメイト対応」となっています。







デッキ

2号車デッキには飲料の自動販売機、3号車デッキにはカード専用公衆電話機が設置されています。
ゴミ箱は分別式。「可燃物」「不燃物(瓶・缶・ペットボトル)」に分けてリサイクル率の向上につなげています。

JR北海道の「スーパー」特急では運転席直下の通路などから前面展望が楽しめる車両が多く運転されていますが、
「スーパーカムイ」の789系では運転席下の通路が無いため、前面展望できる空間もありません。








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