JR北海道 785系 スーパーカムイ/すずらん/快速エアポート/(スーパーホワイトアロー)

  


1990年9月に特急「スーパーホワイトアロー」としてデビューした785系。
札幌と旭川を結ぶビジネス特急という役割柄、内外装とも比較的「あっさり」したデザインで仕上げられています。
登場当時は、JR北海道初の新型電車特急、そして最高速度130Km/hでの高速運転が大きな話題となりました。

2002年3月から新千歳空港へ乗り入れる運転形態になり、これに合わせて指定席「uシート」車を追加増結。
2007年10月に列車愛称を「スーパーホワイトアロー」から「スーパーカムイ」に改め、現在に至っています。






指定席車「uシート」

空港アクセスの「快速エアポート」への乗り入れ運用に対応するために、2002年に増備された指定席車「uシート」。
それまでの指定席車は自由席と同じ座席で、自由席区画と半室ずつ分けただけだったので、「指定席」としてのグレードもアップしました。

車内は暖かみのある照明で、柔らかく客室内を照らします。床面は、座席部分のみですがカーペット敷きとなっています。
座席はそれまでよりもさらにグレードアップした回転式リクライニングシート。シートピッチも1,050mmと、かなり広々としています。

各座席の背面下部には電源用コンセントが装備されていて、車内でのパソコン利用や携帯電話の充電が可能に。
車内改札の際に切符いちいち出す煩わしさを無くすために、チケットホルダーも備えられています。
また、収納式のフックもあり(座席背面のほか窓側壁面にもある)、上着や駅で買い込んだ飲食物のビニル袋を掛けて置くのにも便利。
ちなみに背面の網ポケットは、口があまり大きく開かず、底が浅いためペットボトルをギリ挿せる程度で、使い勝手は良くありません。

座席は比較的「固め」の仕上げ。しかし、お尻が痛くなるような固さではなく、無駄にフワフワしているよりも座り心地は良いです。
背面に付けられたカーブラインも無理なく体の流れにフィットします。
1点、ちょっと「アレレ?」と感じたのが、フルリクライニング時に腰の奥がややスカスカ感が生まれる点。
座面と背面の境目にできるかなりの隙間のせいか、それともランバー部分の詰めを直立状態でちょうどに合わせたのかな・・?
まぁ、「気になって仕方が無い!」という程でもなく、座席そのものとしてはかなりフィッティングに優れた座席だと感じました。
これは座席とは別注文なのですが・・・窓幅がちょっと狭いので「雄大な視界」がやや遮られる感があるのが個人的にちょっと残念でした。

札幌寄りの客室端部には2段式の大型荷物置き場があります。大きめのスーツケースも収納が可能。


 両脇が大きく迫り出したヘッドレスト。特にリクライニング時は隣席との視界がかなりシャットアウトされる。
 車内改札の煩わしさを無くす「チケットホルダー」。
 ここに切符を差しておけば車内での仕事に集中できるし、心置きなく居眠りもできる。
 電源コンセントは前席背面の下部に。壁面や床すれすれにコンセントがある例が多いが、この位置はかなり使いやすい。
 ちなみに、客室最前列となる席では真正面の壁にコンセントがなく、使う人によってはハズレ席となる。
 uシート車両外観。1列1枚窓で、小さな窓がズラリと並ぶ光景は国鉄時代の「グリーン席」車両を思わせる。
 編成によってパンタグラフ付きと無しの車両があるが、内装はどちらも同じ。





普通車

普通車は、登場当時はラベンダーブルー(基本編成)とミントグリーン(付属編成)で、クールな清涼感ある雰囲気でした。
2005年〜2007年にリニューアル工事が行われ、現在のインテリアになりましたが、ご覧の通りに赤系の配色で車内の雰囲気は一変。
まるで別の新車の如くに変身してしまいました。
近年のJR北海道では、「スーパーおおぞら」のリニューアル指定席や「スーパーカムイ」用789系に赤系の座席カバーを多用していますが、
この赤の色合いがどれを取っても、どうも野暮ったくて暑苦しいと感じるのは、私だけでしょうか。
こと785系に関しては、以前のブルー系のアイス調インテリアの雰囲気がとても良かっただけに・・・・。

さて、「色」については置いておいて、「座席」です。
座席はリニューアルによって、新しいものに交換されています。
パッと見て、789系「スーパー白鳥」やキハ261系「スーパー宗谷」の普通車座席がベースなのが分かります。
アームレストはこちらでは細いイメージのものになり、700系新幹線で見慣れた形状のアームレストとなっています。

座面・背面とも、こちらもどちらかというと固めの仕上げになっています。
「uシート」と比べると、背面クッションに沈み込みの余裕が少なく、旭川→札幌の1時間20分は座っていて後半ややダレました。
座面のほど良いクッションと、なによりそのワイドさが助けてくれた・・・そんなような感想です。
ただ、「スーパーカムイ」の強敵である「高速バス」と対比した場合、居心地では間違いなくこちらに軍配が上がるはずです。

リニューアル前は跳ね上げ式のフットレストバーが設置されていましたが、リニューアル後の座席ではこれが省略されています。
そのかわり、座席の台座が1本足支えになり、前席の下に大きく足が伸ばせるようになっています。

シートピッチは登場当時から変わらずの960mm。車椅子対応席は5号車にあります。


 車椅子対応席の次の列の座席は、向きによっては通路側の席に前席がなくテーブルが使えなくなってしまう。
 そのため、ここだけインアーム収納テーブルが装備されている。
 車椅子対応席の窓には、このようなステッカーが大きく貼られていて、特急車両としては驚きの光景。
 これは快速「エアポート」号や区間普通でも走るための施策と思われるが、ここまで車窓の視界を遮る貼り方って・・・
 座席の台座は1本足の支柱で支えるタイプのもの。前の席の下に空間が生まれ、足を大きく伸ばすことができる。
 この座席にリニューアルされる前は、跳ね上げ収納式のフットレストバーを装備していた。







サニタリー

サニタリースペースは2号車と5号車に設置されています。いずれも洗面台・洋式個室・男性用個室で構成されています。
こちらも客室リニューアル時に一新され、1990年代テイストから2000年代テイストの便器へと交換されています。
5号車の洋式個室は、車椅子対応のものとなっています。また、各洋式個室には収納式のベビーベッドが設置されています。






デッキ コックピット
     

2号車デッキ(一部編成では3号車デッキ)に、ソフトドリンクの自動販売機とカード式電話が設置されています。
デッキ仕切りドアは、リニューアル時に全てタッチセンサー式の自動ドアに改造されました。
快速運用時ではデッキに立ち客が出ることもあり、特に冬季にはデッキからの冷気が客室に流れ込むのを防いでいます。

デッキドア上部には、普通電車で見られるような札幌近郊の路線図と停車駅案内が掲げられています。
これもやはり快速「エアポート」号で、新千歳空港−札幌間のアクセスを担っているために設置されているもの。

両端の先頭車は、運転室直後にデッキがあり、このデッキからは貫通扉越しに前面展望が楽しめます。








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