新千歳空港へのアクセス列車として、JR北海道は「快速・エアポート」号に新型車両721系を続々投入。 着席サービスの向上として、一般席の半室を「指定席」として設定していました。 しかし、指定席料金300円で座席が確保されるとあっても、座席そのものは一般車両と同じ転換式のシートのまま。 「料金を徴収して座席はそのままとはいかがなものか」と、乗客からの不満も寄せられていました。 そこで、2000年12月に登場したのが、回転式リクライニングシートを備えた「uシート」。 特急並みの座席で、指定席料金は据え置きの300円ということで、一挙にコストパフォーマンスの高い「乗り得車両」になりました。 「uシート」には、「あなた(you)のシート」「余裕のシート」という意味が込められています。 |
2000年に登場した、最初のタイプの「uシート」です。 赤と青のコントラストは、新千歳空港駅のテーマカラーに合わせられているようで、かなり鮮烈な印象。 当初は半室設定でしたが、「満席御礼」続出で好評のうちに2003年には1両丸ごとが「uシート」車両へと設定変更されました。 シートピッチは、驚きの1,030mm。特急車両でも1,000mmピッチに満たない車両がある中、かなりのワイドピッチ。 座席背面には収納テーブルとチケットホルダーに網袋。フリーストップリクライニングで、座席としてのユーティリティーは言うことなし。 ヘッド部分にはさすがにリネンは掛かりませんが、拭き取りなどの手入れがしやすいようにレザー仕上げとなっています。 デッキと乗降口は車端部とセンターの3ヶ所。客室は九州のハイパーサルーンのように半室構造づつの2室構造となっています。 各部屋の車端部寄りには大型の荷物置き場が設置されており、空港利用客のスーツケースを収納しておくことができます。 デッキ仕切りドアの上には電光表示装置が設置され、文字放送によるニュースや天気予報が流れます。 窓が一般車両と合わせた大きさ・幅で設置されているので、窓割りと座席位置が合わない席が多いのがちょっと残念です。 |
2003年に登場した721系の8次車の「uシート」車両です。 これまでの赤と青の強烈なカラー設定から一転、アースカラーを基調にした座席になり、落ち着いた雰囲気の車内になりました。 赤と青のテーマカラーは各座席のランバー部分に残し、「快速エアポートのuシート」であることを継いでいます。 座席は789系の普通車座席をベースにしたものとなり、ヘッド部分に通路移動時の手がかりとなる突起が取り付けられています。 シートピッチはこれまでと同じ1,030mm。背面テーブルは幅が広がった大型のものになり、使い勝手の向上が図られています。 デッキ仕切りドア上部の電光表示装置はすっきりとしたデザインになり、見栄えが良くなりました。 また、次の停車駅でどちらのドアが開くかという表示装置も追加されています。 最初からuシート専用車として製造されているはずなのですが、この8次車でも窓割りと座席位置が合わせられていません。 |