そもそもの始まりは「ウエストひかり」なる愛称の山陽新幹線「ひかり」号の特別車両。 ・・・といっても0系新幹線にアコモ改善を施した“中古改造車”でしたが、 改造思想は「vs航空機」を全面的に意識したもので、指定席に2+2シート、ビュッフェを改造してカフェコーナー風に、 さらには車内を丸ごと引っぺがして映画館風に改造した「シネマカー」など、独創的な空間提供を行いました。 スピードでは航空機に敵わないものの、これらのゆとりある空間が支持されて利用客の呼び水となりましたが・・・ なにぶん0系改造という点で、老朽化と次々に登場する新型高速新幹線が影響して 「ウエストひかり」は徐々に利用者からも時代からも置いてけぼりを食うようになりました。 この「ひかりレールスター」こそが新生「ウエストひかり」であり、 その思想と独創性を引き継いで次の時代に対応できるアコモを備えています。 指定席は2+2シート配列で、大きめの横幅の広い座席を並べて、グリーン車並みのゆとりを確保。 白熱灯色の車内照明と、プレインウッドの木目壁の採用で癒しの空間に仕上がっています。 「普通車」ということでシートピッチは1060mmですが、指定料金のプラス510円以上の値打ちがあります。 4号車は「ウエストひかり」時代に試験的に行われた「サイレンスカー」を本格導入。 車内検礼はもちろん、車内放送までもを省略。営業側で出来る限りの「煩わしさ」を省略していますが、 おしゃべりなどの乗客が騒音元となるモノは、乗客のモラルに期待するしかありません。 ちなみに、超繁忙期などファミリーから旅行者が車内に溢れかえる時期には、通常の指定席として販売されます。 ひじ掛けの白い丸型のものは「ドリンクホルダー」。 近年に開発されたギミックなだけあって、500mlのペットボトルをすっきりホールドすることができます。 デッキ寄りの席は「オフィスシート」と命名。 大型テーブルは座席のかなり手前までセットされるのでPCの利用や書き物にも充分利用できます。 ここにはPC用のコンセントを設置していますので、PC利用はもちろん、なんらかの充電を要する時は移動しつつ充電が可能。 5・6号車は1A〜D席と18A〜D席。7号車は1A〜D席。8号車は1A〜D席と9A〜D席です。 4号車は「サイレント空間」を優先して、オフィスシートがありません。 |
自由席車は今までの新幹線と同じく2+3シート配列になっています。 座席自体は700系と同じモノかと思っていたのですが、 ヘッドレストの形状とアームレスト後方の絞り具合から、どうも500系の座席と同じモノのようです。 シートピッチ1060mm、3人掛けの真ん中席(B席)の横幅が広めになっているのも今までの新幹線と同様。 |
「ウエストひかり」にはなかった設備がこの「セミコンパートメント」 普通車利用の際の選択肢の1つ、ということで完全な個室ではなく、パーテーションで仕切っただけの構造になっています。 あ、でもちゃんと開閉可能なスライドドアがついているので、787系「つばめ」などの「セミコンパートメント」とは一味違います。 パッとみてすぐ分かるのですが「簡単に撤去が可能」な構造になっています。 「どれだけ利用があるか分かんないし、利用者の動向を見て、後々の意見によっては座席に変えられるようにしておこっか?」 と、JR西日本が考えていたかは定かではありませんが・・・・ 荷棚が個室の壁を突き破って、オープンキャビンと連続しているのを見ると、そんな想像が浮かんでしまうようです。 合計で4部屋あり、普通車料金で利用できます。全体をアースカラーでまとめ、暖か味があります。 ソファーと折り畳み式の大型テーブル、テーブルランプ、PC用コンセントまで用意されています。 このソファーは迫り出し式でリクライニングが可能です。 |
デッキ部には情報端末を設置。タッチパネル方式で車内の情報や沿線のみどころ、JR線の運行状況といった さまざまな情報がここから引き出せます。さらにプリント機能まで備えているのだからスゴイ! 飲み物の自動販売機は、3号車と7号車に設置されています。 |