JR西日本 681系 -THUNDERBIRD-
特急 「スーパー雷鳥・サンダーバード」



特急街道・北陸本線を代表する特急「雷鳥」に新型車両:681系が登場したのは1992年。
極寒の真冬における高速試験走行と乗客の市場動向を模索しながら、1995年に待望の量産車が登場しました。
JR西日本では列車名のほかに車両自体にも愛称を付与し、681系に「サンダーバード」の名前が付けられました。

当時「雷鳥」系の最高位にあった「スーパー雷鳥」に投入された681系。新型車であることをアピールするため、
「特急 スーパー雷鳥(サンダーバード)」という長い列車名が生まれたことも大きな話題となりました。


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「サンダーバード」の愛称、JR西日本では「伝説の神鳥“THUNDERBIRD"を由来とし、スピード感溢れる語感から名付けた」としていますが、
ファンの間では「特急・雷鳥」を「雷」「鳥」に分解して、個々に英訳したモノだという見方が大多数。
ちなみに鳥の「ライチョウ」の英語名は「snow grouse -スノウ グラウス-」「ptarmigan -ターミガン-」となります。
「thunderbird」だと英語圏の人には「メカニックマシンを駆使する国際救助隊の人形劇」がまず最初に思いつくものと思われます(^_^;

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−681系 サンダーバード デザインコンセプト−
トータルデザインコンセプト: 優れた伝統工芸を持つ「北陸」を感じさせる、高品位なデザインの追求
ライン:JRウエストブルー
エクステリアテーマ: クール・エレガンス 安定感とスピード感 飽きの来ない柔らかさ
ボディ:オフ・ホワイト'
インテリアテーマ: Excellence Amenity Humanity and High-Quallity
窓部:ミディアム・グレイ








グリーン車


ダークブラウンのシートモケットとウォーミィな照明で、空間全体に重厚さを感じるグリーン車。
「500系新幹線」然り、この「サンダーバード」然り、またリゾート特急の「オーシャンアロー」然り、
JR西日本は「グリーン車」を上級クラス然とした仕上げにするのが大変上手です。
思えば100系新幹線「グランドひかり」のグリーン車も、JR東海の100系のとは一線を画する素晴らしい出来栄えでした。

さて、話を戻して・・・シートピッチは1,160mm。数値的には標準サイズです。
テーブルはインアーム式のみを装備。片面展開のテーブルはやはり小さく感じます。
これは、登場当初にセンターアムレスト内に液晶パーソナルTVを装備していたためで、
2つ折り展開のテーブルにすると、センター側でテーブルを支える部分が無いために片面展開のテーブルとなっています。
現在、液晶テレビは全車両が撤去済みで、できればテーブルを大型のワイドなものに交換してもらいたいところです。
(北陸本線って、パッケージが大きめの名物駅弁が多いし)

赤いリネンが印象的なピローは上下可動式。硬すぎず柔らかすぎず、程よい弾力を持ったピローです。

ちなみにこのグリーン車。登場当初は空間の半分(大阪方)が喫煙席、もう半分(富山方)が禁煙席でした。
ちょうど境目の天井に空気清浄機と煙の吸引機を内蔵、さらに天井に簡単なパーテーションを設けていました。
(全景画像の空間真ん中あたりに天井を横切る跡が見られますが、これが分煙パーテーションの名残)
JR東日本の651系や255系・E351系も同様に、1車両で禁煙/喫煙を展開させていましたが、
これらの車両は空間ごとパーテーションで仕切り、境目の座席間に距離感を出していました。
この681系では空間を仕切るパーテーションを設けず、天井の空気清浄機と煙吸引機だけで仕切るという、
今考えるとなかなかスリリングな(禁煙派から物が飛んできそうな)「分煙」をやっていた事実に驚きです。







普通車


北陸本線沿線には温泉地も多く点在しており、北陸特急はビジネス利用以上に観光客の利用も多いことが特筆されます。
681系では用務仕様・観光仕様のどちらに偏ることなく、モケットカラーでガラリと異なった雰囲気を演出しています。
偶数号車はサーモンピンク。インテリアテーマは「楽しい会話の弾む空間」。
奇数号車はグレーブルー。インテリアテーマは「読書のひとときが似合う空間」。

決して奇抜な方向に特化せず、かといって消極的な選択もせず。王道を貫きながらこの素晴らしいインテリア。
JR西日本の車両開発チームのレベルの高さを感じさせます。

座席はかなりハイレベルな出来栄え。数ある特急用普通車シートの中でも、最高ランクじゃないかと思います。
まず座面クッション材の柔らかさが素晴らしい。フカフカなのに、ズブズブと沈み込まない適度な柔らかさ。
そして座面とバックレストのバランスがまた絶妙。リクライニング時に自然な体勢が保てるシートってそうそうありません。
バックレストの整形もホールド力があり、高速運転のカーブでもしっかり身体を支えてくれます。

シーチピッチは970mmと、標準(JR東日本エリアの住人から見ると、970mmは広め(^_^;)なピッチサイズですが、
座席が片持ち式で取り付けられているので、座席下に足を伸ばすことができ、シートピッチ以上のゆとりを感じます。

テーブルはワイドな「背面収納式」と、コンパクトな「アーム先端収納式」の2タイプを標準装備。
グループ乗車で座席を向かい合わせにしても、飲み物とお菓子ぐらいならこの小テーブルに広げられます。
個人的には、シート背面の網ポケットがワイドサイズで大容量なのが高得点ポイントです。

この優秀作ともいえる普通車シート。残念ながら画竜点睛を欠く部分が一点・・・・。
それは窓側席のアームレストに。窓枠の大きな框の出っ張りが大きく、肘を掛けると必ず干渉してしまうのです。(→
細腕の私ですら、肘掛けにやや難を感じるほどです。 ここだけが残念。








プチカフェテリア


4号車の富山方には、「プチカフェテリア」が設置されていました。
わずかなスペースですが、しっかりしたカウンターやショーケースなどが設けられており、売店のような雰囲気。
実際に、営業運転開始時には売店営業も行われていたようですが、その後単なる車販ワゴン基地になってしまいました。

後年、683系が登場した際に、681系を683系の編成設備に合わせる改造工事が多岐に渡って施工されました。
この時に「プチカフェテリア」も撤去され、現在は通路を中心に車販基地と自販機、車掌室が設置されています。
大きめの窓と電光表示式のルートマップが楽しかった息抜きスペースは、残念ながら消滅してしまいました。







サニタリー デッキ

       

サニタリースペースは3・6・8号車を除く号車の、基本的に富山方に。比較的多めの設置数です。
全て洋式個室と男性用個室となっており、和式個室はありません。
洗面台はデザイン性がヒカる、美しい仕上がり。ハンドソープがボトルで置かれているのが古典的なミスマッチで笑えます。
車椅子対応サニタリは4号車と9号車に。9号車は通路を片側に寄せた、特に大きめの個室となっています。

随所が直線で、実用本位に仕上げられたデッキですが、壁面パネルがベージュで塗られているため、
暗さや寒々とした雰囲気は感じられません。スポットライトの照明もオシャレで、落ち着いた雰囲気によく似合っています。
自販機は4号車と8号車に。 電話ブースは2・5・7号車で、全てカード専用の電話機になっています。








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