JR西日本 500系新幹線 「こだま」 (8両組成 V編成)

 

N700系の台頭により、徐々に活躍の場を狭められてきた500系。
檜舞台である「のぞみ」運用を降ろされた500系に待っていたのは、山陽新幹線区間の「こだま」としての運用でした。

2008年11月で勇退した0系新幹線の跡を継ぐべく8両編成へと改造され、短くなった編成は華やかな時代からの移り変わりを感じさせます。
とはいえ、特徴的な丸いボディと尖ったノーズを持つ未来的なフォルムはそのままで、今しばらくは人気者の地位は揺るぎ無さそうです。


★☆★☆★ ここで紹介する500系は「こだま」で運用される8両編成(V編成)です。「のぞみ」向けの16両編成とは一部仕様が異なります。 ★☆★☆★





普通車(指定席)
普通車(指定席)

6号車は基本的に通年で指定席車両に設定されるため、0系や100系の「こだま」と同じく2+2の座席設定がなされました。
座席本体は、それまで500系でグリーン席として使われてきた座席を一部改造の上で設置。
座席自体の大きさや、シートピッチ1160mmはグリーン車時代からと同じなので、かなり乗り得な車両になっています。

車内の照明は、それまでのオレンジ色の暖かみがあった電球色から普通の蛍光灯の白色照明へ。
グリーン車時代には車内がけっこう暗いイメージがあったのが、一気に明るくなり車内の雰囲気が一変しました。

座席はグリーン席から普通席に格下げとなったため、各種のサービスパーツが撤去されました。
ヘッド部分にあった上下可動式のマクラはなくなり、この部分に若干の詰め物がされています。
以前のグリーン車仕様の頃の座席では、リクライニング時の背ずりとマクラのバランスが取れていて心地よかったのですが、
直立かもしくはそれに近い角度の姿勢では、頭が若干前方に押されるような感じがありました。
今回マクラがなくなったことで、リクライニングと直立の状態でどう感じ方が変わるか興味津々だったのですが・・・・
結果としては、いずれの姿勢でもけっこう仰け反るような姿勢が強いられるような感じがしました。
ランバー部分から背中の中心部にかけての詰め物が以前のままなので、頭部分で急に支えを失って仰け反るような感じ。
その人の体格によるとは思いますが、リクライニングは浅めで深く座るか、もしくはフルリクライニングの時は浅く腰掛ける方が楽です。

センターアームレストのオーディオパネルはステンレス板で塞がれ、読書灯も無くなったことから読書灯スイッチも撤去されました。
テーブルはグリーン席時代のままのアームレスト収納式のを装備し、2枚折りのものとなっています。

座席背面は見た目に大きな変化は無く、網式のポケットと小物を掛けるフックもそのまま。
足元のフットレストが無くなっていますが、シートピッチは変わっていないので足元がかなり広々としています。
床面はこれまでのカーペット敷きが剥がされ、一面ビニール材による敷物に交換されています。

ふっくらとした座面の座り心地は変わらずで、枕の撤去で頭の支えがなくなってしまったものの、これはけっこう乗り得だと感じました。
後述の自由席が従来からの2+3設定ですので、わずかなプラス料金で2+2のほぼグリーン席と同等の座席に座れるこの指定席なら、
乗車する距離によっては、こちらを積極的に選択するほうをおすすめです。

(繁忙期には4号車・5号車も指定席になることがあり、この場合4号車と5号車は下述の自由席車両となりますのでご注意を。)


 ヘッド部分は、さすがにマクラが撤去されている。
 マクラ撤去で両脇の出っ張りが目立つようになり、この座席のこれまでの雰囲気を一番異とするものとしている。
 テーブルは、グリーン席時代からのアームレスト収納式。
 2枚展開で、片側だけで開くことも可能。両面展開させた座席は、およそ普通車とは思えない堂々さ。
 かつてのオーディオパネルは塞ぎ板によって覆われている。
 この部分を見ると、この座席本体の「格落ち」感が漂っているように見えてくる。
 座席背面の小物用フック。フック部分がかなり小さいので、ビニール袋を掛ける程度の用途。
 スーツやコートは、窓脇上部のフックが健在なのでこちらに掛けることができる。
 座席の肩の部分には滑り止めのレザーが貼られている。
 車内移動の際の手掛かりとして追加されたものだが、そうした用途がグリーン車とは違うことを感じさせる。






普通車
普通車(自由席)














自由席車は、これまでの普通車座席をそのままに搭載しています。座席配置も変わらず2+3で展開されています。
指定席車両同様に、座席の肩の部分には滑り止め加工のされたレザーが貼られました。

両先頭車の運転席に近い席に設置されている荷物置き場はそのまま健在。
運転席直後にデッキが無く、ドン詰まりとなっているのもこれまで通りです。

500系で運用される「こだま」号は全席が禁煙となり、灰皿を装備した座席(=喫煙車)は設定されていません。


 7号車は、両端に車椅子対応設備と喫煙ルームが設置されている。
 そのためデッキ仕切りドアが車両真ん中位置にあり、客室内が4列−5列−4列の不規則な座席配置となった。
 先頭車・運転席方向を見た客室全景。
 天井の照明が天井ラインに沿って大きく歪んで配置されているのもこれまで通り。
 運転席直後の座席には、これまでと変わらず荷物棚が設置されている。
 棚がある側の2人掛け席は、この棚がパーテーションのようになりプライベート感ある空間になっている。
 座席の肩部分に貼られたノンスリップレザー。
 座席の色と合わせられたパープルに着色されていて、客室を全景で見た時の違和感は少ない。
 7号車の新大阪寄りにある車椅子対応座席。
 通路側のアームレストは可動式。車椅子から座席への移動をしやすくしている。
 テーブルはこれまで通り背面収納式を装備。
 テーブル背面の車内案内は、全車両禁煙になったことからか、N700系調のデザインとなっている。






こども運転席









一部の編成には、8号車(新大阪方の先頭車)の運転室直後の空間に、こども向けの擬似運転台を設置したスペースがあります。
客室と運転室の仕切り壁には、実際の運転台とそこから見た前方風景が壁一面に貼られていて、子供でなくとも驚きの光景。

運転台は一見すると「お子様向け」という感じですが、よく見ると速度計のランプが最高速300Km/hに向かって点灯していったり、
各種のボタンやレバーの位置もしっかりと実物の運転台と同じ位置となっていて、かなり凝った作りになっています。








洗面台/トイレ

トイレはこれまで通り、洋式個室・和式個室・男性用個室・洗面台で構成されています。
編成内の1・3・5・7号車の奇数号車、新大阪寄りのデッキに設置されています。

7号車は車椅子対応の大型個室が設定されており、ボタン開閉式によってワイドに開くスライドドアとなっています。
洗面台も他の車両より横幅が広くなっていて、こちらも車椅子で洗面台に向かい合えるようになっています。

洋式個室と車椅子対応個室には収納式のベビーベッドがあり、赤ちゃんのオムツ替えなどに使うことができます。








デッキ設備

デッキ設備で大きく変わったのは、全席禁煙の措置に伴う「喫煙ルーム」の設置です。3号車と7号車の博多寄りデッキに設置されました。
N700系の「喫煙ルーム」同様にドアと壁で隔てられた、完全な密閉された空間となっています。
通路とはガラス仕切りで隔てられているので狭苦しさはさほどでもなく、またガラスに入れられた模様に清涼感も感じられます。
N700系とは違いこの空間に窓がありませんが、これは排気ダクトを通すために窓が塞がれたのだそうです。
各ルームとも室内定員は3名。室内には3つ分の灰皿が設置されています。

7号車は以前の11号車からの改造車なので、かつての「サービスコーナー」を改造した車内販売準備室がそのまま残されています。
このほか4号車と8号車には電話コーナーがあり、カード専用電話とテレホンカード販売機が設置されています。








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