1991年に登場した団体専用ジョイフルトレインの「リゾートエクスプレスゆう」。 登場当時は大型ハイバックシートを3列配置にした欧風インテリアの車両でした。 その後、団体旅行のスタイルはお座敷車両のニーズが高まり、1998年に「お座敷電車」に生まれ変わりました。 「ゆう」専用の電源車を水戸に常駐させていて、「電車」ながら非電化の水郡線へも頻繁に入線。 また、繁忙期にはしばしば指定券が一般売りされる臨時お座敷快速電車にも使われています。 交直両用の485系の機動性を活かして、今日も東日本エリアのあちこちへと走ります。 |
次々と登場したお座敷電車「華」「せせらぎ」などが掘りごたつ式なのに比べ、「ゆう」はフラットな床になっています。 これは「ゆう」が欧風座席車からの改造のため、掘りごたつ式に改造するほど、天井と床の高さに余裕がないため。 壁の化粧板が木目となり、お座敷らしくなった一方で、天井の照明カバーの丸を基調とした飾りは欧風電車の頃のまま。 車端部にはカラオケ装置と電気ポット・ドリンクストッカー・クローゼットバー・下駄箱が備えてあります。 ちなみに積んでいるカラオケの機械は「DAM」でした。 |
4号車はディスコフロアを擁するイベントカー。壁に沿って収納式の腰掛けが装備されています。 天井がかなり高く、クラブのような派手やかな照明装置が特徴的。 欧風電車でデビューした頃はターゲットユーザーが若者だったようで、登場告知パンフレットには、 「歌って踊って!旅の楽しみは電車の中から始まっています」「パーティやディスコ大会などの企画でお楽しみ下さい」 というくだりがあるあたり、将来よもや「お座敷電車」になるとは予想だにしなかったことでしょう。 お座敷車に改造された後もイベントカーはそのまま連結されていて、お座敷車の設備としてはかなり不思議な空間です。 プロジェクタースクリーンやマルチビジョンモニター、DJブースには本格的なAVコントロールデスクを装備。 かなり手の込んだ、本格的な設備になっています。 イベントフロアの一角にはバーカウンターが設置されています。 冷蔵庫・電子レンジ・流し台などの設備が整っていて、簡単な軽食の提供やドリンクサービスができそうです。 |
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イベントカーの下り方にはドーム席があります。高さはおよそ2階建て車の2階部分に匹敵。 天井まで廻りこんだ曲面窓からは、先頭車のパノラマサロンよりもダイナミックなパノラマ風景が楽しめます。 アームレスト下部にあるのレバーは、右が座席のリクライニングで、左のレバーは座席回転。 天井に照明はなく、床の一段高くなったフロアー部にダウンライトが灯るようになっています。 夜間は窓への照明の映り込みなども無く、流れる夜景が楽しめます。 1号車と6号車の運転席の真後ろは、パノラマサロン。2人掛けのソファーが合計4脚、向かい合わせで置かれています。 前面窓の真ん中に太い柱がちょっと邪魔ですが、ダイナミックなパノラマ展望席を楽しめます。 |
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サニタリーは全般的に651系の仕様を踏襲しています。 洗面台はもちろん全て自動出水式。ほんのり灯る暖色系の照明が特徴的です。 客室とデッキを仕切るドアは自動ドア。扉脇の造花の飾りがジョイフルトレインらしい演出です。 運転席の直後はパノラマサロン室なので、運転士さんのようすが丸見えです。 「ゆう」のボディは新製されたものですが足回りは従来の485系を流用しているので、「ゆう」に与えられた形式は485系。 運転席の機器類も485系のものとなっています。 斬新なエクステリアボディからは想像できなような、古めかしい雰囲気の漂うコックピットです。 |