
JR東日本には、発足直後から各支社にお座敷列車が配備されていました。 |
水戸支社には旧型客車を改造した「ふれあい」というお座敷客車が活躍していましたが、 国鉄から引き継いだ古い車両だったため、老朽化が顕著になっていました。 その「ふれあい」の置き換えで、1991年3月に登場したのが「リゾートエクスプレスゆう」です。 それまでのお座敷車両から一転、豪華なハイバックシートが並ぶ欧風電車となり、 編成中間のイベントカーは、カラオケステージが一般的だったのが、なんとディスコフロアに。 若者へ魅力的な移動空間を知ってもらおうと、20-30代へ利用訴求する方針へ大転換を図りました。 車両は交直両用ということで485系を名乗っていますが、車体は改造ではなく完全新製。 機器類のごく一部に485系や183系の廃車部品を使っていますが、 ほぼ全体的に新車製造に近いスタイルでの登場となっています。 運用開始後は団体列車以外にも、多客期には臨時特急列車として一般販売も開始。 水戸に専用の電源車を置き、非電化の水郡線に乗り入れる運用も頻繁に行われました。 1998年には、それまでの欧風仕様から、お座敷列車へとリニューアルされています。 これは当時、首都圏の団体専用車両が中高年層からのお座敷列車のニーズが非常に高く、 既存のお座敷車両だけでは利用者の要望・申込に応えきれなくなってきたためです。 2010年代後半になると、JR東日本では管内に残る485系の淘汰を推進し始め、 「リゾートエクスプレスゆう」も2018年1月をもって運用を終了。 しばらく常磐線高萩駅に留置された後に、同年9月に長野へ回送され廃車となりました。 (撮影時期:1998年・2003年・2008年) |
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グリーン車(お座敷)/GREEN CAR (JAPANESE TATAMI OZASHIKI style)
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次々と登場したお座敷電車「華」「せせらぎ」などが掘りごたつ式なのに比べ、「ゆう」はフラットな床になっています。 これは「ゆう」が欧風座席車からの改造のため、掘りごたつ式に改造するほど、天井と床の高さに余裕がないため。 壁の化粧板が木目となり、お座敷らしくなった一方で、天井の照明カバーの丸を基調とした飾りは欧風電車の頃のまま。 車端部にはカラオケ装置と電気ポット・ドリンクストッカー・クローゼットバー・下駄箱が備えてあります。 ちなみに積んでいるカラオケの機械は「DAM」でした。 |

イベントフロア・バーカウンター/EVENT CAR (DISCO FLOOR)・BAR COUNTER![]() |
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4号車はディスコフロアを擁するイベントカー。壁に沿って収納式の腰掛けが装備されています。 天井がかなり高く、クラブのような派手やかな照明装置が特徴的。 欧風電車でデビューした頃はターゲットユーザーが若者だったようで、登場告知パンフレットには、 「歌って踊って!旅の楽しみは電車の中から始まっています」「パーティやディスコ大会などの企画でお楽しみ下さい」 というくだりがあるあたり、将来よもや「お座敷電車」になるとは予想だにしなかったことでしょう。 お座敷車に改造された後もイベントカーはそのまま連結されていて、お座敷車の設備としてはかなり不思議な空間です。 プロジェクタースクリーンやマルチビジョンモニター、DJブースには本格的なAVコントロールデスクを装備。 かなり手の込んだ、本格的な設備になっています。 イベントフロアの一角にはバーカウンターが設置されています。 冷蔵庫・電子レンジ・流し台などの設備が整っていて、簡単な軽食の提供やドリンクサービスができそうです。 |

ドームカー/DOME CAR (OBSERVATION FLOOR)
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イベントカーの下り方にはドーム席があります。高さはおよそ2階建て車の2階部分に匹敵。 天井まで廻りこんだ曲面窓からは、先頭車のパノラマサロンよりもダイナミックなパノラマ風景が楽しめます。 アームレスト下部にあるのレバーは、右が座席のリクライニングで、左のレバーは座席回転。 天井に照明はなく、床の一段高くなったフロアー部にダウンライトが灯るようになっています。 夜間は窓への照明の映り込みなども無く、流れる夜景が楽しめます。 |

サロンスペース/SALON SPACE
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1号車と6号車の運転席の真後ろは、パノラマサロン。2人掛けのソファーが合計4脚、向かい合わせで置かれています。 前面窓の真ん中に太い柱がちょっと邪魔ですが、ダイナミックなパノラマ展望席を楽しめます。 |

トイレ・洗面室/TOILET・SANITARY SPACE
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サニタリーは全般的に651系の仕様を踏襲しています。 洗面台はもちろん全て自動出水式。ほんのり灯る暖色系の照明が特徴的です。 |

乗降口・デッキ設備・運転席
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客室とデッキを仕切るドアは自動ドア。扉脇の造花の飾りがジョイフルトレインらしい演出です。 運転席の直後はパノラマサロン室なので、運転士さんのようすが丸見えです。 「ゆう」のボディは新製されたものですが足回りは従来の485系を流用しているので、「ゆう」に与えられた形式は485系。 運転席の機器類も485系のものとなっています。 斬新なエクステリアボディからは想像できなような、古めかしい雰囲気の漂うコックピットです。 |







