JR九州にわずか残る485系。グリーン車は普通車との合造車ばかりとなっています。 現在、グリーン席には2種類の座席タイプがあり、こちらはJR九州創立後に設置されたタイプ。 インアームテーブルのほか背面の収納テーブルも装備。リクライニングもかなり深い角度まで倒れます。 この座席の最大のポイントといえば、バックレストとソデ体のわずかな隙間にある黒いレバー。 これこそが「ランバーサポート」の操作レバーです。 「KAMOME EXPRESS」などで全室グリーンの「サロ」車がまだ現役だった頃、 787系「つばめ」のグリーン席と同じベージュ色のモケットを纏った座席もあったようですが、 現在はすべて、このモスグリーンのモケットになっています。 |
もう1種類の座席がこちら。「同じグリーン料金を取るのか!?」と、驚くほど見劣りするシロモノです。 見る人が見れば分かる、これが「0系新幹線グリーン席」の廃車発生品を流用した座席です。 「JR化後の改造車だろう」と思いきや、なんと国鉄時代の昭和61年11月改正で特急「有明」で登場しました。 実は、かのグレードアップ「あずさ」より1年も前に3列グリーン席が登場していたことになります。 国鉄時代の雰囲気を演出するためなのか、それとも、ただこの座席に合うリネンがないだけなのか、 (おそらくは後者であろうが)真っ白で長く大きめのリネンが掛けられています。 座席回りは0系時代の雰囲気をよく残しており(というかほとんどそのまま)、座席のヘッド部分にはマクラがあり、 背面には収納テーブルは無く大きめの網ポケットがあります。テーブルはソデ体から引き出す小型のもの。 いまもって0系の座席が(列車の走行スピード以外は)楽しめるという点では「奇跡」かもしれませんね。 ちなみに前述のグリーン席ともども、普通車の窓割りに無理やりグリーン車のシートピッチで座席を配置しているため 約半分の席で、窓の框とにらめっこになってしまいます。 |
現在、九州に残っている485系は全て日豊線でしか定期運用を持っていません。 さまざまな遍歴を経て日豊線に集結した車輌ばかりなので、室内の装いも一様ではありません。 座席自体はすべて「RS380型」と呼ばれるフリーストップリクライニングシート。 一見、本州のJR各社で485系などのリニューアルに採用された「R55系」シートと変わりがないのですが、 ロマンスシートを仕切るセンターアームレストが装備されているのが特徴です。 登場初期はグレーをベースに、ブルーやグリーンのワンポイントが入るモケットでしたが、 「RED EXPRESS」へのリフレッシュが本格化すると、ブラックをベースにカラフルなドットが入った 「星屑」と俗称されるものに統一されるようになりました。 しかし、この「星屑」モケットも、ドットがまばらなものと密なものの2種類があり、必ずしも同じ物とは言えないようです。 床面も画像をご覧頂いたとおり、さまざまなタイプが混在しています。 一部には「つばめ」タイプのカラフルなモケットとカーペットを装備した、元「ハウステンボス」用の車両が残っています。 この車両、車内のあちこちに「HUIS TEN BOSCH」のロゴやエンブレムを現在でも見ることができます。 シートピッチは485系登場当時の910mmのままで、ピッチを広げる工事は施されていません。 その分、他のJR各社のアコモ改善車に見られる「窓割りと座席配置があわない」という事態はなく、 どこに座っても窓からの眺めを楽しむことができます。 |
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客室は、カラーコードこそ微妙に一定ではないものの座席自体は統一されています。 が、サニタリーはどうでしょう?! …この落差。およそ同じ編成内のものとは思えません。 |
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デッキもこのとおり。右のリニューアルされたものは元「ハウステンボス」車です。 |