JR東日本 485系 羽越本線観光列車 「きらきらうえつ」



2001年11月から運転を開始した羽越本線の観光列車「きらきらうえつ」。
海岸線に沿う区間あり、名峰の麓を行く区間あり、歴史ある城下町に温泉街の町が、次々に変化しながら続く沿線。
「きらきらうえつ」はそんなバラエティに富んだ観光地を抱える羽越本線を走りゆきます。

全車両がスロープと手すりで繋がれ、完全バリアフリーの全ての乗客に優しい設計の車内。
4両編成のうちの1両はラウンジカーで、イベント型列車では異色の「和風ラウンジカー」となっています。
夕刻の新潟行き上り列車では、海岸線に沈む夕陽を眺めながら走り、まさに「きらきら」の眺望が窓に広がります。
新潟−酒田間が通常の運行区間ですが、5月〜10月には酒田からさらに先、秋田県の象潟まで延長運転されています。








普通車
















4両編成のうち、1号車・3号車・4号車が普通車となっています。2号車はラウンジカー。グリーン車はありません。
普通車は2+2の座席配列で、シートピッチは970mm。
通常は「快速」として運転されるので、全席指定制ながらも指定席料金は510円で済み、510円でこのグレードはかなりお得です。

JR東日本では、新幹線・特急からイベント型列車まで今や「座面スライドシート」が搭載されるようになりましたが、
この「きらきらうえつ」の座席は、「グレードアップあさま」などでお馴染みだったR55型シート。
エッジの効いた形状のヘッド部分・バケット型に成型された座面・カチッとまとまった座席背面などになんとなく「郷愁」。
R55型シートは個人的に好きな座席で、今でも自分の体型・着座姿勢に最もフィットする座席だと感じます。
座面の柔らかさと腰を上手に落としてくれるこの座面成型が、今もって最強であることを実感。

ただ、最近の列車に乗り慣れていると、やはり気になる点もあり・・・・
背面テーブルの大きさが、通常使うには不自由無いのですがやはり「小さいな」と思わず思ってしまうのと。
座席台座が1本足構造ではないので、前の席の下に足が伸ばせないのがちょっと気になってしまいました。

床面は全面フローリング仕上げですが、この列車の驚くべきはそこではなく、編成の隅から隅まで床がフラットになっている点。
客室部分はデッキ部分より床面が高い「ハイデッカー構造」になっているのですが、客席とデッキは全てスロープで繋がっています。
車椅子利用の乗客にはもちろんですが、一般の乗客にとっても車内の移動がしやすいのは嬉しいことです。

車椅子対応席は3号車に、2席が用意されています。


 座席間の肘掛は跳ね上げが可能。座席間の隙間に収納することができるようになっている。
 窓の框部分は幅に余裕があるので、ペットボトルや携帯電話などを置いておくことができる。
 カーテンはロールブラインド式。無色無地で、全く柄が無いのがちょっと寂しい。
 窓間にはフック。上着やコート、帽子などを掛けて置くことができる。
 床は全面フローリング。トンネル内や夜間の走行時は艶やかなフローリングの輝きが美しい。
 窓上の荷物棚はパイプ組み。今ではやや懐かしいスタイル。収容量は通常の特急と同等程度。






ラウンジカー ショップ 展望ラウンジ
















2号車は「ラウンジカー」。客室との半室構造ではなく、丸々1両がラウンジスペースという本格的なものです。
ラウンジスペースはこの手の列車では珍しく、洋風ではなく和風の趣を全面に押し出したインテリアになっています。

車内の2/3ほどがフリースペースのラウンジとなっていますが、全てがボックス配置となっています。
4人ボックスが2つと、3人掛けを擁する5人ボックスが2つ。
ボックス席のクッションが赤と黒の強いコントラストで、これがかなり強烈な印象。
テーブルは食事をしたりするのを前提に、けっこう大きめのものになっています。

ラウンジスペースのとなりにはミニビュッフェ「茶屋」が併設されています。
ビュッフェといっても実質「ミニショップ」のようなもので、物品販売を主とする設備です。
カウンター内のギャレイを見せてもらいましたが、電子レンジのような設備は無く、暖め商品などを出すことはできなさそう。

沿線のお土産やお菓子、オリジナルグッズなどが豊富に揃っており、メニューに書かれた商品もけっこう多く感じます。
お茶と和菓子のセットを注文すると、急須に入ったお茶とお菓子がトレイでサーヴされます。
「きらきらうえつ」乗車時には、ぜひこれをラウンジスペースで、車窓を眺めながら食事したいです。
このほか、列車限定のオリジナル弁当「きらきらうえつ弁当」も販売されています。

ミニビュッフェ「茶屋」の営業は、新潟〜酒田間。象潟延長運転時の酒田〜象潟間は、ミニビュッフェは非営業です。
(ラウンジスペースはフリースペースなので、全区間で利用することができます)











1号車と4号車の運転席直後には、展望ラウンジがあります。
パイプ椅子のレストバーが設置された、簡易ラウンジのような誂えとなっています。
ソファーのような椅子ではないので長居するには厳しく、そこはJRからの「譲り合って使ってね」という暗黙のメッセージ?

運転席との仕切りは一面がガラス張りで、運転席窓もかなり大きいので前展望(後展望)はかなり良好です。
一部、トンネルの多い区間ではブラインドが下ろされますが、基本的には開放状態となっています。







サニタリー デッキ 運転台









  







  



「バリアフリー設計」が念頭にある車両なので、デッキ部分と客室は全てスロープで結ばれています。
デッキも広めに設計されていて、車内に入った時に空間の広さがかなり感じられます。

サニタリースペースは1号車・3号車・4号車に設置され、洗面台・洋式個室・男性用個室が設置されています。
3号車のサニタリースペースは車椅子対応となっていて、大形洋式個室を設置。
また、3号車には多目的室も併設されています。

3号車のデッキとは反対側の連結寄りには細長いフリースペースがありますが、ここは元「喫煙室」。
現在は車内全面禁煙となったので、ここでの喫煙も不可となり、今はなんとなく中途半端なフリースペースになっています。
ここにはちょっと変わった「自動販売機」があり、「きらきらうえつグッズ」が買えます。 (金蒔絵シールマネークリップ
また、その対面には「記念乗車スタンプ」が用意されていて、自由にスタンプを押すことができます。

2号車ラウンジカーの1号車寄りには映像スペースがあり、大形液晶テレビで沿線の観光地を紹介するビデオが流されています。
沿線観光地や市町村を紹介するパンフレットを集めたラックも設置されていて、パンフレットは自由に持ち帰ることができます。








JR東日本 485系 羽越本線観光列車「きらきらうえつ」 座席表 シートマップ








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