「はつかり」の愛称廃止とその運命をともにした最北の国鉄色原型485系。 789系「スーパー白鳥」、E751系「つがる」へその任を託して、 その後は磐越特急「あいづ」、夜行快速「ムーンライトえちご」用として各地へ散っていきました。 ここでは特急「はつかり」として最後の活躍をした後期の様子を紹介します。 |
東北新幹線開業後、盛岡からの新幹線アクセス特急となった「はつかり」には、当初グリーン車がありませんでした。 「はつかり」にグリーン車が復活したのは1987年10月のこと。翌年に青函トンネル開通を控えてのグリーン車復活でした。 復活したグリーン車は、青森方の先頭車の半室、2+2の4アブレストが4列・全16席というコンパクトなものでした。 座席はバケット型フリーストップリクライニングの新しいタイプの座席を搭載。 登場当時はグリーンのモケットが張られていて、全体的に100系新幹線をフューチャーしたデザインでした。 後年、このようなカラーリングのモケットに張替えられた座席もあります。 シートピッチはグリーン車標準の1,160mmより広い、1,210mmピッチを展開。 フットレストは、高さの調節は出来ないものの、靴面と素足面の2面構成で、場面によっての使いやすさのあるものです。 肘掛にはインアームテーブル、背面にも収納テーブル、センターアームレストにはオーディオパネルを装備しています。 客室内にはテレビとビデオデッキが備えられ、青函トンネルのイメージビデオや、時折映画なども流していました。 これらのビデオやオーディオサービスは長くは続かず、ビデオ装置は早々に撤去されたもののパネルはそのままでした。 運転席側の先端には木製のパーテーションがありますが、これはビデオ装置があった棚のあとに設置されたもの。 このパーテーションの背面には、プラスチック製のマガジンラックが設置されていました。 |
「はつかり」では、指定席と自由席とでは装備している座席に差をつけていました。 指定席車に搭載されていたのはRS391形。フリーストップリクライニング機構を備えています。 485系リニューアルでよく使われるR55型と比べると、バックレストクッションが大げさなまでにブ厚く、 全体的になんともアンバランスな印象を受けます。 自由席車の座席は、従来の簡易リクライニングシートのR51形を改良したシート。 最大角度でリクライニングのロックが掛かり、座席を倒した状態でストッパーが効くようになっています。 クッション材も交換され、全体的にバケットシートへと装いを変えています。 モケットは、画像のピンク系統のほか、ブルー系統のものもありました。 指定席・自由席とも客室への手入れは座席の交換までに留まり、天井や化粧板などは従来の雰囲気を残しています。 |
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洗面台はセンサー式の自動給水のタイプと、従来からのコック式のものが混在していました。 飲料水サーバーが残されている車両も多かったです。 |
電話はデッキに剥き出しで設置。 デッキの貫通扉に色入れがなされていたり、ゴミ箱もゴミを投入しやすい形状になっていたり、 それなりにリファインの手入れがされていました。 |