1997年に登場した団体専用ジョイフルトレインの「華」。 当時の団体車両はお座敷列車の需要がたいへん高く、首都圏だけでも客車の「なごやか」「江戸」、電車の「宴」の3本を有していました。 そのうち、「なごやか」は車両の老朽化が酷く進んでいたため、「なごやか」の後継として新しいお座敷電車が製造され、それが「華」です。 車内は「掘り炬燵」式のお座敷仕様とし、楽に腰掛けることができることで誰にでも快適な列車の旅が楽しめるようになっています。 基本的には団体専用の車両ですが、観光シーズンにはJR東日本管内の臨時お座敷快速電車として運転され、指定券が一般販売されます。 |
客室内は一見フラットなお座敷となっていますが、テーブル部分は掘りごたつとなっています。 椅子に腰掛けるのと同じ感覚で、誰にでも楽な姿勢で列車の旅が楽しめるようにという設計思想の元に、掘りごたつが採用されました。 掘りごたつ部分の足先も畳敷きとなっていて、この低い部分の畳は上下可動式となっているので、客室内を完全にフラットな状態にすることもできます。 テーブルは、基本6人掛けで1台となっていますが、3号車と5号車は6人テーブルと8人テーブルが設定されています。 頭上に荷物棚がないので、空間は非常に広く感じられ、とても開放的な雰囲気となっています。 手荷物は通路側にある収納ボックスを使います。収納ボックスには木製の蓋がついていて、ここにベンチ感覚で座ることもできるようになっています。 カラオケ装置は各車独立操作ができるタイプとなっていて、全車両とも「JOYSOUND」の装置が採用されています。 |
各車両ともフリースペースが設置されています。 両先頭車の1号車と6号車には、運転席直後の空間が「展望サロン」となっています。 運転室とは大きなガラスで仕切られていて、パノラミックな展望走行シーンが楽しめるようになっています。 2号車と4号車には、コの字型にソファーを配した「ミーティングスペース」があります。 インターフォンやテーブルもあり、団体旅行の幹事さんの打ち合わせスペースや歓談の場として使えます。 3号車と5号車の連結面寄りには、ソファーを合い向かいに設置した「休憩スペース」があります。 |
デッキは各車両ともかなり広いスペースがとられています。 乗車後にお座敷に上がるために靴を脱いだりする必要があるため、デッキに多くの乗客を収容する必要があるためでしょうか。 デッキには冷蔵庫や電気ポットがあります。(一般向けの臨時電車として走るときは、冷蔵庫やポットは使えません) トイレは1号車・3号車・6号車に。いずれも洋式個室・男性用トイレ・洗面室で構成されています。 5号車には更衣室とカード専用公衆電話が設置されています。 |