紀伊半島を海沿いに走る紀勢本線の特急「くろしお」号。 1978年の紀勢本線の電化に伴い、現在の381系特急が投入され、現在に至るまで「くろしお」号の代表的な車両となっています。 クリーム色に赤色のラインを引いた国鉄色は姿を消し、マリンリゾートを連想させるエメラルドグリーンとブルーのカラーに。 車内も、283系「オーシャンアロー」の登場後にリニューアルが施されました。 観光色の強い路線の特急ですが、近年は和歌山−大阪圏でのビジネス特急としての役割も大きくなっています。 今後は、287系新型特急の投入が予定されており、381系の活躍も数年のうちに見納めとなりそうです。 |
グリーン車は「スーパーくろしお」「くろしお」とも、紀伊半島側先頭車の1号車に設定されています。 「スーパーくろしお」は最前列から前面展望が望める「パノラマ型」のグリーン車となっています。 客室内の座席は2+1の3列配置。AB席が2人掛けでA席が窓側。C席は1人掛け。紀勢本線内での海側はC席側となります。 シートピッチは基本的に、1,160mmのグリーン席標準ピッチとなっています。 シートカバーは283系「オーシャンアロー」のグリーン席に合わせたイメージで、金色っぽい色調のゴージャスな雰囲気。 「スーパーくろしお」のパノラマ型グリーン車の、前展望が楽しめる最前列は1番ABC席です。 「くろしお」のグリーン車は、普通車先頭車からの改造となっているため、窓割が合っていません。 また、客室内に空調ダクトが通されている構造の車体のため、このダクトに当たる部分は座席が1+1配置になっています。 これは4番列にあたり、4A席が欠番となっています。4B席は通路側にオフセット配置された1人掛け席。 4C席は窓側に寄せられて設置されていますがちょうど窓間の柱にあたり、配管ダクトが通っています。 さらに、5番列と6番列の間にも空調ダクトが通り、それを避けるためにこの列間だけはシートピッチが異常に広くなっています。 (画像は全て「スーパーくろしお」のパノラマグリーン車の客室・座席) |
普通車は、指定席・自由席とも簡易リクライニングシートをベースに改造した座席が設置されています。 現在は最大傾斜でストッパーの効くリクライニングシートとなっていて、シートピッチも1,000mmに広げられています。 (画像では、リネンが白いのは「スーパーくろしお」号、黄色いのは「くろしお」号となっています。) 貫通路側から客室に入ると、通路の小さなスロープを下るようになっていて、この車両の低重心構造を実感。 座席に腰掛けると目線の低さが乗りなれた列車とは異なり、新鮮な感覚になります。 空調ダクトが客室内を通っていため、普通車でも1+1の特異な座席配置になっているところがあります。 中間車では基本的に6番列がこの区画に当たり、6A・6D席が存在しません。 (先頭車では11番列が、一部の中間車では10番列と12番列がこの区画となります) 1人掛けということで、なんとなくお買い得な席のようですが、壁側はダクトが通っているため窓は無く、 また座席も通路側に寄せられて設置されているので、あまりオススメ席という感じではありません。 シートピッチが後年の改造で広げられたため、窓割りと座席位置が合っていない箇所が何列か発生しています。 ピンク色のリネンが掛けられている座席は女性専用席「レディースシート」。 購入は、みどりの窓口とJR西日本電話予約サービスに限られ、券売機やネット予約では基本的に購入できません。 |
「くろしお」号の4号車には「パンダシート」なる座席が設置されています。(9両編成の場合は7号車) 16番列のABCD席にはパンダが鎮座していて、ここは記念撮影用のフリースペースとなっています。 (そのため、16番席と15番列は座席指定区画から外されていて、指定席として購入することができません) ツルツルのビニル素材によって座席がスッポリ覆われていて、ヘッド部分にはパンダの頭!! ちなみに大人が普通に座ろうとすると、後頭部にパンダの鼻が突き刺さります(笑) 車内放送でもパンダシートの宣伝が行われていて、新大阪始発直後から記念撮影の人だかりで賑やか。 (どうやら自由席からも記念撮影に来ている乗客も多くいる模様) 4号車の10〜14番あたりの座席が指定券に発券された場合、ギャラリーが多くてちょっと落ち着かないかもしれません。 このパンダシート、もちろん「白浜アドベンチャーワールド」のパンダ人気にあやかったもの。 |
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グリーン車のトイレは洋式に改造されています。そのほかの車両のトイレは和式トイレ。 洗面台は改造時期によってかなり差異があり、中には新型特急並みになっている洗面台もあります。 |