北近畿エリアで活躍していた183系(485系からの改造車)の置き換え用として登場したのが、新型車両287系です。 まずは2011年3月から、特急「北近畿」の愛称を「こうのとり」に変更し、「きのさき」「はしだて」などの特急へ投入を開始。 続いて、2012年3月には381系が活躍していた特急「くろしお」へも投入され、国鉄型特急車を次々に駆逐して新型車化が実施されました。 北近畿エリアの車両は基本編成4両と付属編成3両で、南紀エリアの車両は基本編成6両と付属編成3両で構成されています。 編成の組成構成に違いはありますが、両エリア向けの車両とも基本的な作りは同じです。 287系の投入後は、北陸新幹線の開業で余剰が生じた「しらさぎ」用の683系を289系に改造し、両エリアに投入して381系を完全に置き換え。 287系の増備は、総数97両で現在のところ終了となっています。 2016年3月からは、北近畿エリアの287系は京都始発の特急が中心となり、新大阪始発の「こうのとり」はごく一部を除いて289系に統一されました。 |
グリーン車は先頭車1号車に、運転席寄りの半室に15席(2+1の横3列を5列配置)が設定されています。 座席は、北陸特急向けの683系4000番台のものと同じものを設置。シートピッチは1,160mm。 肘掛には、片方にはインアーム収納テーブル(片面/両面どちらでも使える)、もう片方にはドリンクホルダーが内蔵されています。 肘掛先端にはパソコン用の電源が設置されていて、1席につき1口を使えるようになっています。 足元のフットレストは、折り畳んだ状態のステンレス面が土足用、展開した時のカーペット面が素足用になっています。 ヘッド部分の枕は上下に動かすことができ、好きな位置で止めることができます。 荷物棚下には、読書灯が設置されていません。 余談ですが、このグリーン車は「クモロハ」という形式記号が与えられていて、国鉄時代を通しても初登場の形式記号となっています。 |
普通車は、2+2の横4列が基本ですが、グリーン客室との境目に位置する列と車椅子対応席列のみ2+1配列となっています。 普通車の座席も683系4000番台で採用されたものと同じものが設置されています。 シートピッチは970mm。座席の表皮柄は青をベースに、細かい差異で2種類の柄が存在します。 リクライニングはけっこう深い位置まで倒れる感じがするので、普通車でもリラックスした姿勢が取れます。 テーブルは背面収納のほか、座席を向かい合わせにしてもテーブルが使えるように、肘掛先端に小さなものが装備されています。 電源ポートは車端部の座席のみに設置。大型のテーブルと一体成型されたコンセントが1席1口ずつ設置されています。 沿線ユーザーにはこの席のみコンセントを使えることがよく知られているのか、指定席ではよく埋まっていることが多いです。 車椅子対応席は、くろしお号では4号車と8号車、北近畿エリアの特急では2号車と6号車に設定されています。 |
デッキは木目調のナチュラルな雰囲気を活かしたデザインとなっていて、寒々しい感じが全くありません。 多目的室は、くろしお号では4号車、北近畿エリアの特急では2号車に設置されています。 乗降ドアは、車椅子対応席のある車両の車椅子席側のドアが1,000mm幅の大型ドアを備えています。 トイレは、一部の車両を除くほぼ全車に、洋式トイレと男性用トイレと洗面室が設置されています。 車椅子対応席のある車両のトイレは、車椅子でそのまま入れる大型トイレとなっていて、洗面台もデッキに向けて開いている仕様になっています。 |