グリーン車の車内レイアウトは、東海道線(東京口)で活躍中の2階建てグリーン車「サロ212/サロ213」を踏襲しています。 座席も「サロ211」と同じR61型シートを装備していますが、全体的なフォルムは彫りが深くなった感じがします。 シートピッチは近郊電車グリーン車の標準の970mm。シートの回転は台座のペダル式となっています。 2階席・1階席・平屋席とも、全席に読書灯とスポット空調を装備しています。 窓ガラスにはロール式のブラインドが内蔵されており、窓は2列1枚ながらブラインドレールで1列ごとに区切られる格好になっています。 デッキ寄りの壁面にはLED式の電光表示板が装備されていますが、使われている様子は無いようです。 2階席と1階席には荷物棚及び荷物収納スペースはありません。平屋席のみ荷物棚が設置されています。 入線後の人の流れを見ていると、グリーン車も普通車もまず2階席から埋まる傾向にあるようですが、 2階席はかなり横揺れが激しく、天井に向って湾曲した窓とあいまって乗り物酔いを誘発しそうです。 あまり「乗り物」に自信がない方は、平屋席がよいかと…。 |
普通車は2階席・1階席・平屋席とも全てボックス構造となっていて、ロングシート設定はありません。 ボックスピッチは1,500mm。近郊電車の中では広めのピッチですが、4人で掛けるとやはり余りある余裕は感じられません。 2階席・1階席・平屋席ともに頭上に荷物棚を設置しているのが特徴的で。 客室に足を踏み込んだ瞬間に、どこか異国の列車のような雰囲気が漂いますが、それもそのはず。 座席は、TGVなどで有名なフランスの「コンパン社」製のフレームパーツに、日本製クッション材を組み込んだ「日仏合作」。 253系N'EXの普通車と同じ構造の片持ち固定式シートなので、足下に空間があり大きなカバンなどを置くことが出来ます。 天井に向って窄まり、エッジの効いたバックレスト。そして、縦方向にデザインされたツートンカラー。 全体的にスポーツカーのシートで有名な「レカロ」のシートを髣髴させます。 実際のところバックレストがあまりに垂直すぎて、頭が前に押し出されるような体勢となってしまいます。 座り心地はともかく、デザイン的にはこの座席はけっこう好きです。 座席を囲むようなフレームは、車内移動時の手すりとしても・・・というような触れ込みを前宣伝で目にしたことがありますが、 実際に人が座っていると、人の頭とフレームが近すぎて、「手すり」として掴むことが躊躇われます。 1号車と10号車の平屋席だけはフレームレスとなっていて、他の客室とは雰囲気を異としています。 |
サニタリーコーナーは3号車と5号車(グリーン車)と8号車に。 特急車両のサニタリーと比べても遜色のない、洗面台をセパレートしたレイアウトを採用しています。 また、普通列車用のトイレとしては、日本で初めて「男性用トイレ」を設置しています。 乗降ドアは普通車が900mm幅(グリーン車は720mm幅)で、通勤時間帯のスムーズな乗降を考慮した広さに設計されています。 デッキから客室へは、グリーン車ではらせん階段を、普通車では直線階段を採用しています。 直線階段は場所をとるため定員増には向かないのですが、ここでもスムーズな流動を優先させて直線階段をあえて採用。 普通車のデッキと平屋客室の間には簡単な仕切りで区分けされています。 電話は9号車と2号車のデッキに。4号車グリーン車にも電話がありましたが、現在は撤去されています。 先頭車を見ると、運転台はかなり高い位置にあるように感じるのですが、 車内から窓ガラス越しに運転台を覗いて見ると、思ったほど高い位置でもないように見えます。 運転台は253系「成田エクスプレス」のレイアウトに準じています。 |