JR発足後、JR西日本に待っていたのはドル箱でもあり、命綱でもある「山陽新幹線」の斜陽化でした。 大阪を拠点として、格安の高速バス網は広がるばかり。対“九州”にしても航空機がシェアを拡大しつつあり、 料金面でも設備面でも魅力のない新幹線は、利用者から取り残されていきました。 そこでJR西日本が打って出たのが、フラッグシップトレインとして100系「グランドひかり」のデビュー。 さらに国鉄から大量に引き渡されたオンボロ0系を内装中心に大改造して、 バスにも航空機にも真似できないゆったりとしたスペースを提供する「ウエストひかり」を登場させました。 客室を2+2の4アブレストにして、1人あたりの占有空間を大幅にアップ。 これだけで充分バスや航空機に対抗できそうなくらいのインパクトがありましたが、 さらに改造「ビュッフェ」やビデオ放映をする「シネマカー」を組み込んで本気モードのJR西日本。 今思うと、現在のJR西日本から感じられる「マジメに本気で徹底的にしっかり」した車両開発の原点に通じるものがあります。 |
「ウエストひかり」時代に大改造が施されたビュッフェコーナーです。 およそ原型オリジナルのスタイルを全く留めないの改造で、「ビュッフェ」というよりは「オープンカフェ」のよう。 「ウエストひかり」の頃は利用者の呼び水となった目玉設備ですが、現在は営業中止。フリースペースとして解放されています。 設備自体は、営業中止になってからけっこう時間が経っているはずなのですが、よく手入れされていて「現役」かと思うほどです。 思えば、現在活躍中の新幹線車両でこうしたスペースを備える形式は無く、 最古の0系が現存最後のフリースペースを持つ新幹線車両となってしまいました。 |
ミニショップのような設備が残されている車両もあります。 カウンターの中は、コーヒーメーカーやシンク・冷蔵庫などが見えますが、近年は使われた様子はなさそう。 ショーケースのデザインがなんともレトロな感じです。 |
サニタリーコーナー内装は、数少ない現存編成でもいくつかのバリエーションが存在します。 100系リニューアル車がこちらに近づいたのか、こちらを100系リニューアルに近づけたのか・・・・ 両者、よく似た雰囲気を持っています。 |
|
デッキで周囲と溶けこめずに妙に浮いている白い覆いは、かつての「冷水機」。 「浜名湖を行く0系」の写真パネルがはめ込まれています。 電話ブースは透明なパネルのドアが付いた個室タイプ。 |